【副業の先輩に聞いてみた】開業届よりも先にやるべき4つのこと
副業を始めたいと思って調べてみたものの、WebやSNSには情報があふれている。「〇〇で月何十万円稼げる」といったワードも目に飛び込んでくるが、最初にやるべき確かな情報は意外と少ない。そこで、起業や副業を考えている方の支援を行っている「起業・副業EXPO」に出展している副業の先輩たちに、インタビューを行った。副業の準備や始め方について、5名のリアルな経験談とアドバイスを3回シリーズでお届けする。
勤めている会社が副業OKかを確認
検索エンジンやSNSで「副業」と検索すれば、多くの情報が出てくる。一方で、「稼げる」という言葉が先行し、正しい副業の始め方がわかりにくい。さらに、開業届や確定申告といった手続きも必要になるし、何から手をつけたらいいか、わからなくなりそうだ。
会計を教える専門家として独立した、株式会社JIBUNDE代表の内藤まゆみさんによれば、手続きよりも先に大事なことがあるという。
「確定申告よりも、今勤めている会社が副業OKなのかどうかを必ず確認したほうがいいですね。やってもいい状況で始めるのか、それともやってはいけないのに始めるかどうかで、副業への力の入れ方も変わってくるのではないでしょうか」
何のために副業をするのか
そもそも副業を始める目的や状況は人それぞれ。まずは自分の立ち位置を把握したい。
内藤さんが副業を始めたきっかけはお金ではない。「副業」という言葉が一般的になるよりも前から、プライベートの時間を使って自分のやりたいことや好きなことを追求していったそうだ。公益法人に勤務する傍ら、NPO法人や福祉事業の立ち上げに携わることになったという。
「私はクリエイティブな人たちと話をしたり交流をしたりすることがとても好きなんです。プライベートの延長で、自分がワクワクすることをお手伝いしていくうちに、お金が後からついてきました」
「まだ収入を得ていないのに、稼いだ後の心配をしている人は少なくない」と話すのは、Amazon物販コンサルタントでEC STARs Lab.(イーシースターズラボ)運営責任者の中西恒太さん。副業に挑戦する多くの人に関わってきた経験から、行動することの大切さも語る。
「考えて動けなくなる前に、行動したほうがいいと思います。副業で20万円の収入を得ることは、それほど簡単なことではありません。ある程度の収入が見込めたら、自ずと開業届や確定申告についてリサーチするようになるでしょう。まずやることは稼ぐことなんですよ」
やってみなければわからない。小さく始めてとにかく経験を積む
では、どのようにスタートを切ればよいのだろうか。海外輸出事業を手がける合同会社エリミノ代表の狩野壮太郎さんは、薬剤師として働きながら副業を始めた。
「情報を集めつつ、少しずつスモールスタートを繰り返していくのがいいのではないでしょうか。私は、YouTubeで副業に関する情報を得ているうちに、自分でやってみたいと思うようになりました。eBayや物販のコミュニティに入って一から学びましたが、情報収集にかけた時間は2カ月くらいだったと思います」とアドバイスする。
光学機器メーカーの開発職を経て、現在はオブリガード代表取締役社長として、起業支援から経営者向けセミナーまで幅広く活躍する中野光裕さんも、スモールスタートを勧める。そこには意外な理由があった。
「売上が積み重なっても、続けていくうちにクレームへの対応が必要になったり、お客様からのマイナス評価に傷ついたりすることもあるでしょう。そのようなデメリットの部分も、実際にやってみなければわかりません。実感値を掴んでみないことには、その副業が自分に合っているかどうか本当のところはわからないのです」
副業を始めるには、情報を集めつつ実際に動き出すことが王道のようだ。
・現在勤めている会社で副業が可能かどうか確認する
・副業に関する情報収集を始める
・自分にできそうで、やってみたい副業をピックアップする
・実際に小さく副業を始める
次回は、コミュニティやセミナーなど、副業に関わる「人」に焦点をあててお伝えする。
取材協力:起業・副業EXPO