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【世にも不思議な副業体験】報酬は1冊につき5,000円!特技の速読が仕事になったワケ

コラム

読書で稼いだ話

多様な働き方が広がる一方で、賃金の上昇がなかなか進まない中、副業に興味がある人だけでなく、実際に始める人も増えている。では、実際に副業をやっている人は、どのような仕事をしているのだろうか? 副業経験者の体験談を紹介しよう。

本を読むのが好き

人よりもちょっと得意なことや秀でていることを、何かに活かせればと考える人もいるだろう。今回いきいきとした表情で取材に応えてくれたのは、そんな自分の趣味と特技を副業につなげることができた岡村さん(仮名・28歳)だ。

日用品などのECサイトを運営する会社で企画の仕事をしている岡村さんは、最近責任のある仕事を任せられることも増え、多忙な毎日を送っている。そんな岡村さんの楽しみといえば、小さい頃からの趣味である読書だ。

「もともと祖父がたくさん本を読む人で、その影響で小学生の頃からいろんなジャンルの本を読んできました。小説も好きですけど、伝記や歴史やビジネス本もよく読みますね。たまに児童書なんかも」

特技は速読

幼少期から数多くの本に触れてきた岡村さんは、もっと多くの本を読みたいという気持ちが大きかったようで、気づくと速読の技術を身に着けていたという。

「特に小中学校の頃は、とにかくたくさんの本を読みたくて、図書館でいろいろと借りてくるんですが、返却期限までに読めないものもあって。それが悔しくてね。だから速く読むことを意識していたら、いつの間にか速読できるようになっていたんです」

友人からの誘いで副業を

岡村さんの多才ぶりは彼の周囲でも知る人が多く、そんなある日、友人のひとりであるBさんから特技を生かした副業をしないかと声をかけられた。

「Bさんは学生時代のバイト先の先輩で、今でもちょくちょく飲みに行くうちのひとりです。出版関係の仕事をしていると聞いていたんですが、突然『速読できるよね? それで仕事しない?』と言われ、何のことだかわからぬまま、とりあえず話だけ聞くことにしました」

本を読むだけでお金がもらえる?

Bさんの話によると、仕事の内容としては、発売される前の小説を読んで、率直な感想を伝えるだけというものだった。現在Bさんの会社では小説の販売に力を入れているらしく、小説の販売戦略を立てるための資料として一般の人の感想を集めたいとのこと。

とはいっても、読めるのは本が完成してからとなるので、実際に発売されるまでに時間があまりない。その短い期間で速くたくさん読めるという条件にピッタリと当てはまったのが、岡村さんだったというわけだ。報酬は1冊につき5,000円で、毎月不定期ながら10冊程度読んでほしいとのことだった。

「副業をしたいと思っていたわけではなかったので、連絡が来たときはどうかなと思っていたんですが、本が読めてお金がもらえるなら、こんなありがたいことないですよ。すぐにOKして、そのプロジェクトに参加し始めました」

手放したくない副業

この副業を始めてから、ますます読書が好きになったという岡村さん。本を読むだけでお金が貯まっていくので、ゆくゆくは読書がゆっくりとできる静かな環境の場所に引っ越しを考えているそうだ。

「何より発売する前の貴重な小説を読めること、それから自分では見つけられない可能性のある小説に出会えることが最高に楽しいです。これからもずっとこの仕事ができればいいなと思っています」

小さい頃から好きだったものや得意としていたことが、思わぬ形で副業につながった岡村さん。人より少しでも秀でているものがあるなら、それを活かせる仕事を探してみるのもいいのかもしれない。

[文/digiart(デジアート)]

音楽心理学に基づいた〈耳で飲むお薬®〉をはじめ、メンタルヘルスに効果的な音声素材を独自のmeditone®テクノロジーで開発している会社、digiart(デジアート)のライター兼エンジニアです。学生の頃の夢は「ものかき」で、今の夢は「おむこさん」です。アプリケーションのドキュメントから官能小説まで、いろいろ書いてます! あと、アプリも開発していますので「耳で飲むお薬」と検索して私を探してみてください。
https://www.meditone.jp

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