「またお食事でも、ぜひ!」社交辞令のつもりで送ったLINEがきっかけで南国へ異動したワケ
まるでママ活、過剰に親しい関係に
翌朝目が覚めると、田所統括部長からLINEが届いていました。
「それがもう、文頭からディナーのお誘いのメッセージだったもので、面食らいました」
昭和の時代ならいざ知らず、社会情勢的に接待営業というのは減りつつあります。それでも大口の顧客のため無下に断ることもできず、ディナーの場を設けました。
それで満足したかに見えた田所統括部長でしたが、それでもLINEは止むことはありませんでした。その後も仕事の話半分にプライベートを探るようなメッセージが次々に入る上京に。映画・買い物・山登りなどに付き合い、まるでママ活の様相を呈してきたそうです。
「その頃、休みの日は田所さんとの予定で埋まってしまってろくに休みも取れない状況になってきて、仕事にも悪い影響が出てくるようになってしまいました」
田所統括部長のあまりの公私混同具合に辟易した慶太さんは、上司に相談します。しかし、社にとっても大口の顧客のため、下手なことはできません。重役を巻き込んでの検討が何度かなされたそうです。
「上司たちには迷惑を掛けました」
慶太さんは済まなそうに頭をかきました。