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ブラック企業の「辞めさせない工作」。1年目で退職届を出したらシュレッダーに…

学び

 自らの意思で会社を去った経験はありますか?

 会社を突然クビになるのもツラいですが、「辞めたい会社を辞めさせてもらいない」というのはそれ以上かもしれません……。

うつ

※画像はイメージです(以下、同じ)

 地域に密着した不動産仲介業者に勤めて6年になる北関東の県庁所在地在住の浜田良太さん(仮名・29歳)

不動産業者からの採用。想像以上に激務の日々

「マイペースに就活をしていたせいか、大学を卒業するまで就職先が決まらず、卒業して1か月くらいはニートでした。さすがにこれじゃマズいって思い立って行ったハローワークで見つけたのが今いる会社の求人です」

 専門的な知識が不要で、すぐ入社できるという条件に惹かれた浜田さんは、この求人に迷わず応募。そして形式的な面接を経て、あっさりと入社が決まりました。

「応募した時点でもう採用は決まっていたそうです。よっぽどのことがなければ誰でも採ると。それでも当時は面接で落ち続けていた自分が社会に認められたみたいで嬉しかったんですけど」

 不動産業界はハードという印象があったので、慣れるまでは働きづめになることを覚悟していたといいますが、待ち受けていたのは想像より激しい現場でした。大半の業者では決まった曜日が定休日に設定されていますが、浜田さんが働く店には当時定休日は存在せず、シフト制で決まる週に一度の休日にも、問い合わせの電話がひっきりなしにかかってきたそうです。

「電話に出ないと事務所に連絡がいってしまいます。次の日、その電話に出た先輩から『なんで対応しないんだ』って怒られるのが怖くて、なし崩し的に休みの日でも仕事をするようになりました。

 本当はいけないんでしょうけど、運転中に肩にガラケーを挟みながら通話して、左手のスマホでメモを取り、右手でハンドルを握るという曲芸みたいなワザを身につけました。この前、友人を車に乗せていたら驚かれましたよ、事故るぞって」

ついに退職届を提出。しかし上司の対応は…

kubi

 それでも閑散期はまだマシだったという浜田さん。繁忙期ともなると9時半から日付が変わるまで帰れず、ほとんど無休で働き続けていたそうです。もっともきつかった年は年間で15日ほどしか休めなかった浜田さんに友人たちは退職を勧めましたが……。

「1年目の夏に退職届を提出したんです。でも上司は何も言わずに僕を外に連れ出しました。直射日光がガンガン当たる場所で説得されているうちに頭が真っ白になって、気付いたら事務所に戻っていました。

 それで上司に促されるままに退職届をシュレッダーにかけされられました。鮮やかな手口だったので、僕以外にもこうやって説得された人がいるのかもしれません」

 説得というより、洗脳に近いやり方で、会社に残ることになった浜田さんのストレスのはけ口は?

「事務所で1人になったとき、上司の名刺をひたすらシュレッダーにかけるのが唯一のストレス発散でした(笑)。今考えると終わってますね」

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