bizSPA!

イケてない中学時代を後悔…華やかな「青春」に憧れる“青春コンプの実態”を専門家に聞く

暮らし

乗り越えるためにすべきことは

 乗り越えるために、大人になった今、何をすれば良いのか。青春コンプに至る心理を細かく見ていくと、ネガティブな側面ばかりではないという。

「冒頭でも話したように、“再評価”や“諦め”などして対処すると良いでしょう。コンプレックスを抱くということは、『俺の青春時代が最高!』と自分の有り様だけを絶対視せず、他者の青春時代の価値を認めているということでもあります

 仮想青春時代を多種多様に思い巡らせ、それぞれの青春時代のあり方をどんどん羨ましがることは、一元的な価値に固執せず、あらゆる青春時代の価値を尊重できる認知の獲得につながるともいえます

 そう考えるならば、“青春コンプレックスの権化”になっても良いかもしれません。そうして気づけば、仮想青春時代として思い描いていたパターンに自分の現実青春時代も含まれていた……と、結果として自身の青春時代に対する再評価が進む可能性も考えられます」

挑戦は青春コンプの予防になる

ビジネス 男性 イケメン

 過去をやり直すことはできないが、年齢に関係なく、誰でも若々しい気分で毎日を送ることはできる。ここにコンプレックスを解消するキーがありそうだ。

「現在の生活の中で、何かにチャレンジしたり、失敗しても立ち上がり続けたりなど一生懸命取り組めば充実した時間を過ごすことができます。その時間の中で“遅れてきた青春”を生きることができると、コンプレックスは弱まると思います。それは青春時代と現在の価値のバランスが変わるからです。

 さらにそこから今後の青春コンプレックスの予防につながります。例えば、10年経つと現在の自分は10年前の“若かった自分”になります。未来の自分の視点に立つと、相対的に私たちはまだまだ青春時代を生きています。そのため、現在を充実させることは、解消・予防につながるでしょう。そのような気分を味わうためには、現在の生活を見直すことが重要です」

現代社会の中の自己・アイデンティティ

現代社会の中の自己・アイデンティティ

これからの時代の自己・アイデンティティの在り方を、さまざまな視点から考察し、「生きること」への視座を示す

おすすめ記事