イケてない中学時代を後悔…華やかな「青春」に憧れる“青春コンプの実態”を専門家に聞く
青春コンプを抱えやすい人の特徴は?
青春コンプを抱えやすい人にはほかにも特徴があるという。
「先に挙げたコンプレックスを抱きやすい心理に加え、『青春や若さの持つ価値を絶対視する』『現在の生活に希望を見出せない』『現在の生活に満足できない』などが挙げられるでしょう。今現在、自分に何らかの不満を抱えている人の中には、その原因を考える際、現在の人間関係や周辺状況などからアプローチする人がいます。一方で、過去に遡って原因を考えようとする人もいます。この場合、後者のほうが青春コンプレックスを抱きやすいでしょう。
過去に遡り、“青春時代の過ごし方”に原因があるような気がした場合、1人でその思考を続けると、その思いつきが『今、自分の人生が上手くいっていないのは、やっぱり良い感じの青春時代を過ごせなかったからだ!』という“確信”に変わります。
人の記憶は想起する状況によってさまざまに再編されるため、まるで青春時代の過ごし方に原因があるかのように考え、確証を得るような出来事がどんどん思い出されます。取り返しのつかない失敗をしてしまったかのように思われて、悩みが深まってしまうでしょう。違う見方をする誰かに話すとツッコミを入れられ、一時的にであってもその思考は止まるのですが、1人で思い悩む時間が多いと、その思考に取り込まれてしまい、青春コンプレックスに囚われてしまうのです」
出身校による違いもあるのか
ちなみに男子校、女子校、共学校など出身校によって抱える青春コンプに違いがあるのかとも尋ねてみた。
「青春コンプレックスは個人が過去をどう評価するかの問題なので、そもそもの経験が違うことで、青春コンプレックスの内容が違うことはあると思います。例えば、
◎男子校・女子校出身者が共学出身者と異性との付き合いを比較して自身の経験値の低さを嘆く。
◎異性の目を気にせず自己主張できる姿勢を持った女子校出身者を見た共学出身の女子が、知らないうちに女性としての配慮を受けて男性に頼ることを学習してしまったと感じる。
◎異性の目を気にせず過ごせる男子校・女子校ならではの自由や面白さを見聞きした共学出身の男子・女子が、それに比べると自分達が異性の目ばかりを気にして自由になりきれなかったと感じる。
などのシチュエーションが想像されます」