イケてない中学時代を後悔…華やかな「青春」に憧れる“青春コンプの実態”を専門家に聞く
“青春コンプ”はある意味特殊
容姿や学歴など世の中にはさまざまなコンプレックスが存在するが、青春コンプは他のコンプレックスとどう違い、解消するための有効な手段はあるのだろうか。
「コンプレックスの解消には、現在の自分を受け入れるという方法だけでなく、容姿の場合は化粧・ダイエットなど、学歴の場合は留学や社会人大学院への入学など現在の自分を変えることで直接的に克服するという方法も存在します。
一方、青春コンプレックスの直接的な克服方法は過去の自分を変えることになりますが、それは不可能です。どれだけ自分の青春時代に不満があろうとも、過去を受け入れることがコンプレックス対処において不可欠であるところが、他のコンプレックスとは大きく異なります」
対処を厄介にしているのは…
それでは、青春コンプを抱きやすい人の特徴と、さらにはその解消を困難にしている要因は何があるのだろうか。
「“他者と自分を比較しがち”、“自分を肯定する価値基準が曖昧”など自分に自信が持てないことだけでなく、“他者より優位に立ちたい”、“自分に対する期待が大きい”、“理想の自分を実現したい気持ちが強い”など自分に対する自信が強すぎることなどもコンプレックスを抱きやすい心理としてあげられます。
ただ、青春コンプレックスの場合、学歴や容姿といったコンプレックスと違って、“自分のここが嫌”という対象の特定が容易ではありません。『自分がどのような人生を生きてきたのか?』という“過去の人生物語”について、そのような気持ちを抱くものです。人生は自分だけでなく、他者や環境、社会状況などさまざまな構成要素の中で作られています。時間を取り戻すことができないことに加えて、原因や変更ポイントの特定が難しいことも、対処を厄介にしている要因だと思われます」