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職場のほぼ全員が“新興宗教”の信者。30代社員「入信しないと昇進できない」

コラム

宗教に入信しないと昇進できない

 心身ともにダメージを負いつつも「課長だから」となんとか気力を振り絞っていた田中さんだが、さらに追い打ちをかけることが……。

「会議室の入り口の上とか、見えづらいところに仏壇のようなものが飾ってあったのです。それで仲の良い人に聞いて見たところ、社長をはじめ社員の多くが、とある新興宗教の信者だと言うのです。しかも部長クラスに昇進するには、その宗教に入信しなければならないとも」

 その会社の社長は、宗教的にも高い位置付けらしく、信者たちには尊敬されていました。「だから、みんなあの接し方なのか」と、田中さんは納得したそうです。

「本当の勤務実態を教えてください」

崇める

「体力的にも限界ですし、この会社にいても将来が見えない。私がその会社から逃げることができたのは入社4か月後でした。退職する意向を伝えたところ、もちろん役員から暴言を浴びせられましたよ。『お前を採用するためにいくら掛かったと思っているんだ』って」

 会社を辞めて2~3か月、田中さんは魂を抜かれたような日々をすごすことに。その後、再就職を果たすことができました。

「今度は大手の転職エージェントに『本当の勤務実態を教えてください』と、念を押しました。それでホワイト企業に移ることができたのです」

 若くして裁量を持たされるのがベンチャーの魅力です。ですが、なかには「人が逃げ出す」ほどの勤務実態があることも覚えておきましょう。

<取材・文/武藤徉子 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

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