高卒からリクルートのトップ営業に。32歳女性海外ノマドの生活事情「食費は5万円くらい」
公的手続きやビザ処理は自己責任で
海外拠点フリーランスならではの苦労もある。
「海外で2か月とか短期滞在する場合、住居探しはけっこう大変です。あと私は住民票を抜いているので、年金や社会保険、税金などの手続きはすべて自己責任です。不明確なルールも多いので、公的機関に相談するなどして慎重に調べています」
海外移住者にとってビザ問題も避けては通れない。こちさんの場合、学歴の有無が就労ビザ取得に影響するという現実にも直面したという。
「タイは比較的ゆるいですが、高卒で就労ビザが出る国は少ないです。ただ最近(2022年10月1日から)は、マレーシアでデジタルノマドビザの発行が開始されたりと選択肢が増えてきているので、視野を広く持って移住先を決めようと思っています」
心地良い生き方探しの旅は続く
ひたむきな努力を重ね、次々と夢を実現する姿が眩しいこちさんだが、「ずっと悩みっぱなしですよ」と明るく笑う。
「タイに住み始めた当初は理想と現実のギャップに落ち込んだし、家族や友達と離れた生活で寂しくて、日本に帰りたくなった時期もありました。それでも今は“自由でいられる環境” がすごく幸せなので、しばらくはフリーランス生活を続けるつもりです」
最後に、今後の展望を尋ねた。
「最近は日本の地方移住にも興味が出てきて、“福岡とタイ” みたいな2拠点生活もいいなぁって憧れています。バランスを大切に、心地良く豊かな生き方を模索し続けていきたいですね」
<取材・文/日向みく 写真提供/こちさん>