正しい距離感を出すのは至難の業!ラフからしっかり寄せる方法/三觜喜一
教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数40万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売された。そんな彼が『週刊SPA!』で1年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開!
Lesson71 カップまであと20ヤード。ラフからでもしっかり寄せる方法
【前回を参照】⇒Lesson70
プロのコース戦略を学ぶ7回目。前回はやや左足上がりではあるものの、ボールのライが良好なエプロンから転がして寄せる方法を解説しましたが、今回は同じピンに対してラフから寄せる方法をお伝えします。
同じカップを狙うにしても、ボールの状況次第で寄せ方は全く変わります。前回と同じくピン位置はグリーン奥で、距離は約20ヤード。カップは2段グリーンの上段にあります。
エプロンから打つ前回のパターンなら、エプロンをグリーン面と同じように使ってロングパットの要領で打つことができました。しかし、ラフからだとそうはいきません。芝の抵抗で当たり負けしたり、出球が芝に食われてショートしやすい。
そもそも打ち上げで、なおかつ距離もあるカップに届かせるには相当強く打たなければいけないのに、当たり負けなどの不確定要素が入ると正しい距離感を出すのは至難の業。ですのでラフからは“転がし”は使えません。
手前から“転がす”のが安全策だが…
キャリーでピンをデッドに狙う手もありますが、ピン位置が奥なのでグリーンをオーバーするリスク大。グリーン奥から近いピンに寄せるのは難しいので、これも選択肢から外します。
ただ、前回同様ボールが安定して転がるグリーン面を長く使えるので、手前から転がすのが安全策であるのは変わりません。ということで、ここではグリーン手前の土手を確実に越してピン手前までキャリーさせ、そこから数ヤード転がして寄せるのが有効。
やや左足上がりの打ち上げなので、SWだとボールが上がってランが出づらいので、ピッチングウエッジを使うのがやさしい寄せ方です。