『ザ・ノンフィクション』で話題の“歌う人力車夫”に、やりがいと将来の展望を聞いた
根強い人気を誇る観光スポット、古都・鎌倉。2022年に2度にわたって『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)で密着された経験を持つマエダアツシさん(@bluepeach_atsu)という人力車夫がいる。
若くして歌手としてメジャーデビューを果たし、その後は東京ディズニーランドでシンガーを務めるなどの経歴から「歌う人力車のお兄さん」として注目を浴びている。紆余曲折を経て、自分らしい生き方にたどり着いたマエダさんに、これまでの経歴と人力車に対する熱い思いを語ってもらった。
人力車夫は、自分のやりたいことが詰まった仕事
――長く、音楽に関わる活動してきて、なぜ人力車夫になろうと思ったんですか?
マエダアツシ(以下、マエダ):以前付き合っていた彼女と鎌倉に行って、その子が人力車に乗ろうと誘ってくれたのが、きっかけです。
――実際に乗ってみて、どんなところに魅力を感じたんですか?
マエダ:僕は接客も写真を撮るのも好きなので、どちらの要素も備えている車夫は魅力的に見えました。しかも歌のリクエストをもらったら、走りながらお客さんのために歌えるはず、「やりたいことが全部できる仕事だ!」と思って車夫になる決心をしました。
試験に十数回落ちてしまう…
――そこからすぐに車夫になれたんですか?
マエダ:まず、浅草で人力車の研修を始めたんです。最初の頃は調子が良くて、先輩や研修担当の方にも「お前ならすぐデビューできるよ!」と言われていたんですが、試験を受けてみると、なかなか合格できなくて……。
――車夫にも試験があるんですね。
マエダ:僕が研修を受けていた会社は、特に厳しいところでした。それでもなんとか車夫になりたくて、何度もチャレンジしたんですが、どうしてもうまくいかず、メンタルもどんどん落ちてしまいました。