マヂカルラブリー：コンビ組みたてでも爆笑を…

『M-1グランプリ2020 スピンオフ マヂカルラブリー漫才論争へのアンサーLIVE』（よしもとミュージック）

　野田クリスタルとは、ピン芸人時代からライブで一緒でしたね。すでに現在のような雰囲気は持っていて、非常に面白く文字通り会場を揺らしていましたね。

　それがある日、突然相方を連れてきて、「マヂカルラブリー」になっていました。当初は野田クリスタルがタンクトップ姿で、村上さんも今よりキャラクターが強かったような気が。ネタは「銀行員の上司当てゲームしょうぜ」のような内容でした。

　この時は新宿の「鍋茶屋コンフォール劇場」でのライブでしたが、70人ぐらいのお客さんが全員笑ったんじゃないかと思うぐらいの爆笑が。「コンビ組みたてなのに……」とスーパー驚きました。

主催者が「芸人引退を決意する」ほどだった

　その時の主催者は、芸人もやりながらライブ主催をしていたのですが、爆笑を取るマヂカルラブリーを観て、「こんなコンビには一生かかっても勝てない」と……。そのまま芸人を引退してしまったぐらいの破壊力でした。

　吉本興業には、気付いたら入っていた印象です。しかし、破竹の勢いがあったマヂカルラブリーがM-1グランプリで優勝するまでに、あれから14年の月日がかるなんて……。

　野田クリスタルは当時から寡黙で、そんなに周りの人間と話すタイプではありませんでしたよ。一度「大宮ラクーンよしもと劇場」の出演後（2015年ぐらいかな）、打ち上げでご一緒したことがあったが、やはり寡黙な感じ。売れてテレビで普通に話しているシーンを見ると凄いなと思ってしまいます。