26歳の“車椅子ギャル”が自分を発信を続ける理由「健常者vs障がい者に違和感が」
「車椅子では働けません」と言われた
さしみちゃんの本業はグラフィックデザイナーだ。就活時に苦労はあったのか。当時を振り返ってもらった。
「『働きたい』と思った会社のバリアフリーが整備されておらず、断念せざるを得ないケースも。そもそも、書類選考の時点で『車椅子では働けません』と言われることも多々ありました。
ただ、昔から絵や美術、表現することが好きだったので美大のデザイン学科に進学して、在学中に『障がい者雇用で就活をするのであれば、いかに特筆した技術・経験があるか』と考えていました。そこで、デザイン系のアルバイトをかけ持ちしたり、ポートフォリオを入念に作成したりなど、戦略的に取り組んでいたんです。
その結果、就職活動は割とスムーズで、周囲の中でもかなり早々に就活を終えることができ、何社からも内定をいただききました。現在はフリーのデザインを請け負いつつ、インハウスのグラフィックデザイナーとして基本的に在宅で働いています」
ありのままの自分を発信する理由
TwitterやYouTubeといったメディアで、積極的に発信をするようになったのは、周囲の人たちからかけられた言葉に影響しているそうだ。
「『ただ一緒に遊んでいるだけなのに、今まで見えなかった世の中のバリアに気付くようになった』といった趣旨のことを言われることが多く、『これは発信することで何かが変わるかも?』と思ったことがきっかけです。
加えて、車椅子や障がいについて発信している人は多いのですが、『飲食店に入ったら嫌なこと言われて悲しかった!』というような、『健常者vs障がい者』の対立構造を煽りがちな内容ばかりで、違和感を覚えたことも大きいですね。
私自身、障がい者ですが、障がい者の人の発信内容に共感できず孤独を感じた経験があります。他の発信者とはまた違う、ありのままの自分をさらけ出すことで、少しでも『疎外感を感じた昔の私のような人達の希望になれれば』と考えています」