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ゴルフのストローク、押すのはNG。パットの基本は“振り子運動”/三觜喜一

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 教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数40万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売された。そんな彼が『週刊SPA!』で1年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開!

三觜喜一氏(日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級)

三觜喜一氏(日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級)

Lesson48 パットの基本は“振り子運動”正しく打つための極意とは?

【前回を参照】⇒Lesson47

 前回、パッティングではボールを“押す”のではなく“打つ”べきだと解説しました。今回はもう少し掘り下げ、その打ち方を詳しく解説していきましょう。

 まず、“押す”ストロークがなぜNGなのか。その理由は、ボールを押そうとするとどうしても手がヘッドより先に目標方向に出てしまい、フェースが開いた状態でインパクトに向かうからです。これを防ぐにはグリップを強く握るしかありませんが、多くのゴルファーはこの事実に気づいていないので、大きく振るほどフェースが開いてしまう。その結果、長いパットが右に外れるのです。

 また、ボールを押そうとするとインパクト後のフォローにまでエネルギーが必要となり、当たった瞬間にエネルギーロスが生じて“当たり負け”が起こります。これでは距離感が合いません。

 ドライバーやアイアンと同様に、パターも先端(ヘッド部分)が重い偏重心の物体です。合理的に扱うには“振り子運動”をさせたいのですが、ボールを押すと振り子運動ができません。手が目標方向にヘッドより先に出るのは、クラブの物理に反した動きだからです。

肩を縦回転させて、振り子運動をつくる

誰も知らなかったゴルフの真実

 では、どうすべきか? その答えは「パターも引きながら振る」こと。先端が重い物体を加速させるにはドライバーやアイアンでのショットと同様に、グリップを引きながら打つべきなのです。

 具体的には、バックスイングで右肩が上がって左肩が下がり、フォローでは左肩が上がって右肩が下がるように動く。肩を縦回転させるイメージなんです。

 こうするとフォローで手が目標方向に出ることはありません。グリップを引くことでヘッドが加速し、フェースの開きやインパクトの緩みも起きません。パットの名手はコツンとインパクトさせた時点で手が止まる印象がありますが、それは肩の縦回転を使ってパターを引いているからなのです

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