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今も愛される“浅草の遊園地”。新社長が目指す「夜の時間帯」の改革

ビジネス

「夜の時間の活性化」で付加価値を高めたい

株式会社花やしき

花やしき内の屋上「スカイプラザ」からの眺望

 来年で花やしきは開園から170周年を迎える。毎年8月7日は「花やしきの日」として記念日を制定しており、その日に向けてプロモーションやマーケティング施策を仕込んでいくという。西川氏は「花やしきの付加価値をもっと高めていけると思っている」と今後の展望を見据える。

夜の時間の活性化で言えば、営業時間後の園貸し切りの需要をもっと増やしていきたい。結婚式の2次会や企業の福利厚生のニーズのほか、花やしきに併設の浅草花劇場(かげきじょう)に出演するアーティストやアイドルとリンクしたイベントも、需要はあると思っていて、『花やしきは夜も貸切りできる』という発信を強めていければと考えています。

 また、花やしきにはうまく活用しきれていない場所も存在していて、例えば、ステージで行うイベントやショーに関しても外部のパフォーマーを呼び込み、新たなコンテンツを作ることも可能だと捉えています。浅草という伝統や歴史、下町文化が根付く地で、これからもさまざまなお客様に愛されるように尽力したい」

 筆者が取材時に花やしきを訪れて感じたのは、古き良き時代の遊び場が色濃く残っているということだった。花やしきならではの印象深い体験は、これからも多くの人の心を掴み続けるのではないだろうか。

<取材・文・写真/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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