試作品の感想を聞かれ思わず…コンドーム「開発現場」のピュアな恋愛事情
下心を描きすぎると受け入れられない?
――主人公砂上くんは、ムスブさんのキャラクターが固まった後に生まれたんですか?
モリ:そうですね。実は連載当初、砂上くんはあまり読者の評判がよくなかったんです。
――サンデーうぇぶり(小学館の漫画アプリ)のコメントを見ると、好感度が高い印象があったのですが……。
モリ:最近は主人公の下心みたいなものを描きすぎると、受け入れられにくいみたいで……。そこで担当さんと、砂上くんの好感度アップ作戦を敢行したんです。もっと彼の優しい面や誠実な面を描くようにしました。他にもページ数が少ない分、展開を出し惜しみしないように軌道修正して。ありがたいことに、どんどんコメント欄があったかくなっていると思いますね。課金して読んでくれる人も増えて、最近は先読みでもだいたい100コメント以上はつきます。
お気に入りシーン・エピソードが…
――最後にモリさんご自身のお気に入りシーン・エピソードがあれば教えてください。
モリ:実はパッと思い浮かばないんです。裏を返せば、1回、1回すごく頑張っていいものを仕上げているという気持ちが強いからかもしれません。毎回とにかく面白く読んでもらって、次を楽しみにしてもらいたい。打ち合わせもガッツリやって、担当さんと2人でつくりあげている感覚です。このままテンションを下げずに『ムスブさん』をいい形で描き切りたいと思っています。
<取材・文/日比生梨香子 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>
【モリタイシ】
1976年生まれ。2000年、「週刊少年サンデー超」掲載の『招福祈願ダルマイト・ガイ』でデビュー。作品は『いでじゅう!』『まねこい』『今日のあすかショー』『くちびるに歌を(原作:中田永一)』など。現在、窪田正孝主演でドラマ化した『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕)と、『あそこではたらくムスブさん』を連載中