自分探しはしなくてもいい

就職氷河期世代の雇用を創出

　自治体と一緒になって、求職支援をする大津氏。最後に、若手ビジネスマンに向けてのアドバイスをいただいた。

「年齢に関係なく、就労支援をしているので若い人に限って何か言うのは難しいのですが、ひとつ言えることは、資格とか何かを身につけないといけないとか、何者かにならないといけないと悩んでいる人がすごく多いと思います。しかし私はそんな必要は全くなく、それは幻想だと思うんですよ。

　特に若い方はいろいろな情報を耳にすることが多いと思うので、いろいろな憧れがあるかもしれません。でも『本当の自分はいないこと』に早く気づいたほうが良いです。本当の自分というのに縛られて動けなくなってしまったり、苦しくなったりする人もたくさんいると思います。そこにあまりとらわれず、“今日の自分”を感じてみるのはどうでしょうか」

「無責任に聞こえるかもしれませんが、今日の自分を否定することもアリ」だと語る大津氏。実体験に基づくメッセージに、世の中で力強く生き抜くためのヒントを見た気がした。

＜取材・文／大川藍＞