人前で失敗をしたら…恥ずかしい記憶を消すための対処法
「一度怒りを感じると、気持ちを抑えられず、我を忘れてしまう」「人前に出ると緊張してしまって、何も言葉が出なくなってしまう」。ネガティブな感情に引きずられて、このような後味の悪い経験をしたことがある人は決して少なくありません。
イヤな気持ちを忘れる、無視する、なかったことにする、無理やりポジティブな気持ちになる……このような対処法は実は逆効果。産業カウンセラーとして長年さまざまなビジネスパーソンの悩みを聞いてきた一般社団法人日本メンタルアップ支援機構・代表理事の大野萌子さん(@moeko_oono)は、ネガティブな感情は、扱い方次第で、あなたの人生における強力な武器といいます。
大野さんの著書『1ステップで気分があがる↑ 気持ちのきりかえ事典』より、「恥ずかしさをなくす方法」を紹介します(以下、同書より編集の上、抜粋)。
Case1:人前で失敗したとき
恥ずかしさを感じることが多いシチュエーションの一つが「人前で失敗をしてしまったとき」です。道の真ん中で転んでしまった。取引先に送るメールの宛名を間違えてしまった。こうした小さなミスに対して、私たちは「恥」を感じてしまいがちです。
ただし、本当にそのミスは恥ずかしいものなのでしょうか? 自分の失敗で「恥ずかしい!」と感じたとき、ぜひ一度じっくり考えてみてください。たとえば、あなたが道で転んだ人を見たとき、「あの人は恥ずかしい人だなぁ」と思うでしょうか。むしろ「大丈夫かな?」と心配する気持ちのほうが強いのではないでしょうか。
メールの宛先を間違えて送ってしまったとしても、これまでの人生でメールの宛先を間違えたことがない人はそこまで多くはないはず。よくあるミスなので、相手も「よくあることだな」と受け流してくれると思います。冷静に考えてみると、自分が犯したミスの大半は「そこまで恥ずかしがるものではない」ということがよくわかるはずです。
A:「他人は意外と自分のことを見ていない」
頻繁に恥ずかしさを感じて、立ち止まってしまう人は、他人の評価や目に対する「他人軸」で生きている可能性が高いです。他人からの自分の評価を基準にしがちな他人軸で生きている人ほど、「失敗してしまった。他人からどう見られているのだろう」と恥ずかしさを感じがちです。
しかし、あなたからすれば、顔から火が出るような恥ずかしい失敗でも、実のところ、他人はあまり気にしていないのが実情です。むしろ、気にしていないどころか、気が付いていなかったり、見ていなかったりすることも多々あります。仮に見ていても、5秒後には別のことを考えている人が大半でしょう。
万が一、あなたの失敗を指摘して、いつまでも笑っているような人がいた場合、あなたのことを過度に意識しているか、単に粘着質な“変わった”人である可能性が高いです。それ以外の人たちは、他人の失敗にさほど意識を払っていません。