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ゲーム大会に裸族の出没…元自衛官が語る“駐屯地の知られざる生活”

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ゲーム大会に裸族の出没…

 営内では、朝起きてから夜寝るときまで、平日は同じ敷地内で同じ人達と過ごすことになります。プライベートはほぼなく、段々と兄弟や家族のような間柄になってくるため、朝の点呼時に股間にテントが張っている人がいても「あぁ、あいつ今日も朝から元気だなぁ」ぐらいにしか思わなくなります。

 営内生活は整理整頓ができていれば、テレビやゲーム機などを購入して置くこともでますし、アイドルなどのポスターも営内点検の日以外は貼ることができます。同部屋の人との相性がよければ毎日が男子校の寮のようになるので、退屈することはないでしょう。

 なお、営内では裸族が稀に現れます。彼らはナチュラリストであり、最もフォーマルないでだちが裸と考えている節があるので、「裸にスリッパ」というスタイルで洗濯をし、真剣な顔をして裸でゲームをプレイします。他の人の部屋にも「今からボンバーマンやろうぜ!」と急に裸で現れることもあります。一般社会では淘汰されるべき人間ではありますが、陸上自衛隊には天然記念物として生息しているようです。

 流石に「裸になるのは品性がない!」という指導を受けることも多いので、その後はちゃんと服を着て生活するようになりますが、彼らはほとぼりが冷めるとまた裸になります。裸族が生活している部屋は、ちぢれた毛がたくさん落ちているのが特徴なので、参考にしてください。

大浴場はますらお達の秘宝館だ

大浴場

 大浴場は、駐屯地の隊舎が密集しているエリアの中央部あたりにあります。そのため、うっかり浴場の窓を開けてしまうと、ますらお達のセクシーシーンが丸見えになることもあります。男性隊員も「まぁ、見えちゃってもしょうがないかな」という感じです。

 そもそも陸上自衛隊には女性隊員がまったくいなかった時代もあったため、「裸を見られないようにする」という設計志向を持ち合わせていなかったこともあります(女性隊員の浴場は駐屯地の奥まったところに作り、浴場の周辺に目隠しを厳重に設置しています)。

 浴場の大きさは、駐屯地によって様々。所属隊員が多い駐屯地には大きな浴槽があるのが一般的ですが、部隊の人数が多いのにやたらと浴槽が小さい駐屯地もあります。その場合はGW期間中の板橋区にあるスーパー銭湯ぐらい密になり、すっぽんぽんのおじさん達がシャワー台を争って熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げます。

 なお、浴場では、ますらお達の序列が変わります。それは「ますらおの“ますらお”」の大きさが大きなファクターになるからです。大人しそうな雰囲気の若手なのに「アニキ」や「ビッグボス」と言われている人は“セガレ”が大きいのです。立派なモノを持っている人は徐々に神格化され、「大きすぎて腰に巻いている」「ヘリコプターみたいに飛ぶことができる」など話が盛られていきます。

 神話のようにストーリーが追加されるので、「誰かのムスコの話で酒を飲む」という不可思議な現象が起きます。

陸上自衛隊ますらお日記

陸上自衛隊ますらお日記

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