年に売上5億円超「歌舞伎町No.1ホスト」に聞いた、究極の“人間関係術”
お客様は決して神様ではないという姿勢に
少数精鋭部隊の強化を目指す一方で、俺のブランド価値を低下させ、客離れや客単価を下げる要因となるお客様は門前払い。例えば、支払いと引き換えに難題を押しつけてくるお客様には「無理だから」と断ります。これは、指名客ゼロの下積み時代から一貫しています。
また、グラスを投げたり、見ず知らずのお客様に暴言を吐いたり、何度注意してもモラルに反する言動を続けると即出禁。
そういう人たちを守ってしまうと、綺麗にお酒を飲んでホストクラブを楽しんでいるほかのお客様に顔向けできません。お客様から信頼を得るには時間がかかりますが、その信頼がたった5分で崩れることは多々ある。お客様は決して神様ではないという姿勢が信頼を生むのです。
「2年連続で2億超え」ブランド価値は絶対死守
かつての俺のように、「お店は楽しむのではなくお金を使う場所」という美学を貫いて少数精鋭で挑めば、お店のNo.1にはなれます。実際に俺も、5年目1億4000万円、6年目5億2000万円と、お店で2年連続No.1になっています。
しかし、俺もお客様も疲弊するので、ここが限界。オンリーワンの存在を目指した俺は、2021年1月から「お店で一緒にお酒を楽しく飲む」という美学に切り替えて5億2000万円を達成しました。そのためには、時にお客様を手放す勇気も求められます。
「最初からその美学を貫けば」と思うかもしれませんが、俺がホスト現代史を更新できたのは、それまでに「2年連続で2億超え」など、お客様たちに支えられてブランド価値を高めることができたから。
客単価を高めるブランド醸成期間と、億を超える管理術の習得期間を経てこそ、オンリーワンの存在へと突き抜けることができたのです。
【3つの誓約】
<誓約1>
「奪う客」は排除。合理的、戦略的に「与える客」のチームに
<誓約2>
明日の1億を信じて目の前の1000万を諦める勇気を持つ!
<誓約3>
ブランド力を高めたら今のお客様を手放して新陳代謝を試みよ
<構成/キンゾー 撮影/tsubasa_works12>