恋バナが地雷。大好きな母親が「疎ましい存在」となっていくまで
母親の圧力に負け、婚活を始める
そして、社会人も3年目にさしかかった時に思いもよらぬ出来事が起こります。
「ある日、仕事から帰ると家に大きなアルバムのようなものが置かれていたんです。よくよく見てみると、なんとお見合い相手が載っている宣材冊子だったんです。社会人になり、忙しさにかまけてしばらく恋愛をしていなかった私を心配に思ってか、勝手にお見合いをさせようとしていたんです。さすがに怒りましたね」
なんと竹谷さんの母親は、何の相談もなく自分の“おすすめ物件”を娘にアテンドしようとしていました。
「私が住む田舎では、都会に比べて婚期も早く、25歳にして周囲も結婚ラッシュに沸いていました。お母さんもたびたび『そろそろいい人見つけなくていいの?』『孫に早く会いたいわ』とつぶやいていたので、『こうなっても仕方がないのかな……』のかなとは思いました。まあ、私がフリーなのは厳しいルールの影響も否めないんですけど」
全くタイプではなかったので、なんとか理由をつけてお見合い相手を突っぱねた竹谷さん。ようやく重い腰をあげて、マッチングアプリを使い精力的に婚活を始めます。もちろん、アプリを使っていることは母親には秘密にしていました。
アプリでの出会いに取り乱すも…
そしてとんとん拍子にアプリで出会った相手と付き合い始め、約半年間の交際を経て、スピード婚に至ります。
「どうせ反対されるので、母には付き合っていることを話していませんでした。なので後ろめたさはありつつも、諸々の手続きが済んだ後にいきなり結婚報告をしました。その際、出会いのいきさつももきちんと伝えたのですが、最初は『マッチングアプリなんて信用できない!』と取り乱してしまい大変でしたね」
しかし、その後きちんと相手を紹介し、公務員で収入が安定しているということ、地元の街もすぐ隣ということから、母親はすんなりと納得したそう。
「反対されたら駆け落ちしてやろうとも思いました。でも、気に入ってもらえたようで本当に良かったです」。箱入り娘として大事に育てられたことに感謝をしつつ、将来子供ができたら母親を反面教師にして、恋愛に対しては寛容な姿勢で臨みたいと話す竹谷さんでした。
<TEXT/萩ゆう イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>
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