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「バカリズムさんが好きすぎる」31歳“塾講師芸人”が語る、R-1優勝の野望

暮らし

大喜利には幅広い知識が必要

寺田寛明さん

――言葉の表現にこだわりを持つ寺田さんは、大喜利でも高い評価を受けていますよね。その大喜利力の磨き方について教えてください。

寺田:大喜利をやる上では、ある程度の知識が必要だと思っています。幅広いジャンルでお題が出されるので、お笑いやバラエティだけ見ていたら答えられないんです。ドラマ、映画、アニメ、漫画など、どれも深く勉強する必要はないけれど、一般の人くらいのレベルでは知っておいたほうがいいと思っています。

 また、お題に人やキャラクターが出てきたら、みんなが知っているようなその人の台詞を、よく「サンプリング(ヒップホップやR&Bなどにおいて曲の一部を引用する技法)」していますね。

 たとえば、「干からびたひろゆき」というお題を出されたとき、ひろゆきさんの有名な言葉を、干からびている要素とどのようにかけ合わせられるかなと考え、「それって乾燥ですよね」という回答が思いつきました。子どもの頃からよく嘉門達夫を聴いていたので、替え歌的なことが得意になったのかもしれません。

R-1優勝をそろそろ本気で狙いに行く

――大喜利ライブの主催もされていますよね。

寺田:主催は本当に、楽しいからやっています。もともと、自分が面白いことをやるよりも、面白い人を紹介してみんなに見てもらうのが好きで。それを一番自由にできるのが、主催なんです。逆に、自分が活躍するようなライブを作るのは苦手ですね。

 進行を考えて、大喜利のお題を作って、MCをやって……と、裏方的に動くほうが向いているというか。そこで、自分がすごいボケて笑いを取るとかはやらないですね。誰かをサポートすることが好きなんだと思います。

――最後に、今後の展望について教えてください。

寺田:今までは心のどこかで「まだR-1で優勝したくない」と思っていた部分があったんですよ。人生の目標や、刺激がなくなってしまうのが怖かったんです。今年もそんな心持ちで臨んだら、まんまと優勝も何もないような順位で終わってしまって(笑)。僕はあと2回出場できるのですが、そろそろ本気で優勝を狙いに行かなくてはダメだなと。もちろん今までも手を抜いていたわけではないのですが、来年以降は絶対に優勝しに行くつもりで頑張りたいです。

 あとは、自分が好きなアイドルユニットや、主催ライブに出てくれている芸人さんたちを押し出していけるような存在になりたいです。「寺田と関わっていて良かったな」と思ってもらえたらすごく嬉しいですね。僕がもっと上に行くことで、自分の周りの人たちにも利益をもたらすことができたらベストだなと思います。

<取材・文/渡辺ありさ 撮影/田中すみれ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【寺田寛明】
1990年、埼玉県草加市生まれ。マセキ芸能社所属。高校2年生からお笑いをはじめ、大学在学中にはフリーとしてライブに出演。2014年よりマセキ芸能社預かり、2020年より正式所属となる。現役の塾講師でもある。R-1グランプリ2021で初の決勝進出を果たし、翌2022年にも決勝に進出している。
Twitter:@teradann
note:寺田寛明

1994年生まれ。ライター、タレント。アイドル雑誌「楽遊IDOL PASS」の編集を経て、「週刊プレイボーイ」「pop’n’roll」等で執筆。EX「全力坂」MXTV「真夜中のおバカ騒ぎ」等出演
Twitter:@Arisaaa_w

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