「30点、40点」とつぶやく友人の採点対象に驚がく!すぐに友達をやめた勘違い
リスペクトしていた人の言動が、実は自分の勘違いで、本当はかなり迷惑なものだったということもあるかもしれません。そんなレアな体験をしたのは、「いまでも、自分の思い込みと勘違いが恥ずかしくてたまらない」と語る、倉持弓月さん(仮名・当時26歳)。
倉持さんは、共通の友達を通じて知り合った健さん(仮名・当時27歳)と年齢が近く、カラオケ好きという共通点もあり、すぐに仲良くなりました。健さんは歌がうまく、とにかく点数にこだわるタイプだったと言います。
「30点」「40点」などとつぶやく友人
「はじめていっしょにカラオケに行ったときも、ちょっとしたミスや音程のズレにも舌打ちしていて、何度も同じ曲を繰り返し歌っていました。僕は自分に甘い人間なので、自分に厳しい彼の姿を見て尊敬の念を抱いたのです。すばらしい人だと思いました」
健さんは歩いているときや飲食店で料理を待っているときにも歌を口ずさみ、そのあとにときどき、「30点」「40点」などとつぶやくこともあったのだとか。また、あるときには結構大きな声で点数を口にすることもあったようです。
「徹底して自分を追い込むストイックな人だと感心しました。そんな彼を見ていると、子供の頃に少しだけ思い描いていたアーティストになるという夢に、もう一度チャレンジしてみようと思えたのです。健といっしょにいれば、自分もストイックになれる気がしました」
カラオケのトレーニングを一緒に
倉持さんは健さんと会う頻度を増やし、歌を教えてほしいとお願いします。講師代の代わりにカラオケ代や食事代を払い、「全然ダメだよ」「なってない。歌い直し」など、浴びせられる厳しい言葉にも耐える日々を送っていました。
「僕自身は精一杯やっていたのですが、彼はなかなか褒めてくれません。『そんなのでアーティストになれるわけがない』と叱られ、どうすればいいのか自分なりに考えたのです。その結果、カラオケ店以外での健も真似てみようと思いつきました」
そして、健さんと入った飲食店で歌を口ずさみ、自分なりに点数を付けてみたのだとか。でも、カラオケ店や自宅以外で歌を口ずさんだことがなかった倉持さんは恥ずかしさもあり、自己採点は40点ほど。そのため、「40点かぁ……」と普段の健さんを真似てつぶやきます。
「すると健は急に不機嫌になり、『あれが40点はないだろう? そんなこと言ってたら、世の女性は泣くぜ』と言いはじめたのです。すごく混乱しました。僕からすれば、女性というキーワードが飛び出すのかも理解できませんでしたし、彼が不機嫌になる理由も謎です」