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コロナ禍にあえて海外渡航する人たちの本音「母親に泣きながら止められた」

学び

番組プロデューサーを退職してマレーシアに

野中直樹さん

野中直樹さん

 一方、野中直樹さん(仮名)は、日本の会社を退職し、2022年1月からマレーシア・クアラルンプールの現地法人で働いている。20代前半からテレビ局や芸能事務所で働き、10年以上、番組プロデューサーとして活躍していた。

 2021年12月に放送された有名な年末特番も番組プロデューサーのひとりとして名を連ね、出国ギリギリまで日本で働いていた。そんな彼がなぜ、マレーシアへ?

「外国語大学を卒業したこともあり、いつかは海外で働きたいと漠然と思っていたんです。しかし、選んだ進路は、もうひとつの夢であったマスコミ業界でした。お笑いが大好きなので、芸人が多く所属する芸能事務所に就職しました。

 仕事の内容は想像以上に楽しくて。人気芸人のマネージャーになったこともあり、毎日夢中で働きました。その後は映像制作に携わる会社に転職し、テレビやYouTube番組のプロデューサーを任されるようになりました」

海外就職に挑戦するのは今しかないと思った

 しかし、コロナ禍で収録が相次いで中止になった。時間の余裕ができ、ヒマな日々が続いていたとき、ふと「英語の勉強をしよう」と思いついたという。

「オンライン英会話の『DMM英会話』で毎朝、1時間の英会話を始めました。外国語大学を卒業したとはいえ、ブランクがあったので、最初はカタコトの状態からスタートでした。ただ、毎日続けていると3か月くらい経てば何となく会話のキャッチボールができるようになるんですよね。そんな生活を続けているうちに、かつて抱いていた『海外で働きたい』という思いが強くなりました

 番組プロデューサーの仕事は本当に楽しいです。しかし、キー局で正社員として働いていない限り、キャリアアップしにくい職業というのも事実です。現在と同じような働き方を60歳になったときも続けている自分を想像したら、心がワクワクしませんでした。今後のキャリアや、結婚・子育てなどのライフステージの変化を考えると、海外就職に挑戦するのは今しかないと思いました

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