増加するセックスレス家庭。“妻だけ勃たない”30代記者の悩みを専門家に直撃
妻側のかかわり方も重要
1人で思い悩んで傷を深めていく前に、素直に文明の利器に頼る。悩む夫は覚悟を決めて、泌尿器科に行ってみるのもよさそう。その一方で、夫婦間で豊かなセックスを実現するには、妻側のかかわり方も重要であると伊藤氏は説きます。
「性の営みは相手の一方的な押し付けによるのでなく、互いが相手を思いやる気持ちを持つことで成り立ちます。豊かな性生活はその結果としてもたらされると思います。妻だけEDは夫側だけの問題のように見えますが、『性交渉は与えられるものではなく一緒に作り上げていくもの』という意識で、女性も主体的に関わっていくことも大切です。
幸せな性生活は生きることの充足感や喜びにも通じます。互いを認め合い、慈しむ気持ちでパートナーと向き合うことが実現のための何よりの秘訣だと思います」
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取材を通じて「性交渉は一緒に作り上げていくもの」という言葉に、筆者も思わずハッとしました。一因として、男性の「なんとかしないと申し訳ない」というプレッシャーが挙げられていましたが、例えば、プレッシャーを感じている現状ごと妻に話してみる。
さらに自分の抱えているストレスを正直に共有する。妻としては、敬遠せず受け止めてあげるよう心掛けてみる。そのような夫婦の関係性が築けると、結果的に妻だけED抑止につながるのかもしれません。治療薬の使用も含めて、まずは「一緒に作り上げていくもの」の意識で臨むことが大事と言えそうです。
<取材・文/浅原浩 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>