なかなか成果が出ない…日本の大企業はなぜ「BtoBマーケティング」が弱いのか
人々の生活が変わったコロナ下で、デジタルマーケティングやDX推進の意識が強まっている。とはいえ、何から手をつけていいか普通のビジネスマンはわからないだろう。
そんな疑問に対し、2002年の創業よりデジタルマーケティング支援を行い、企業のDX化を推進している株式会社クリエイティブホープは「こうした悩みを口にするマーケティングリーダーが少なくありません」と回答。
同社は2015年より顧客関係管理(CRM)プラットフォームサービスを提供するHubSpot社のパートナーとなり、現在はプラチナパートナーとしてさまざまな企業のHubSpot導入・運用支援を行っている。今回は、デジタルマーケティングやHubSpotの基本について、著書『HubSpotワンストップマーケティング』(株式会社クリエイティブホープ著・フォレスト出版)より紹介する(以下、同書より寄稿)。
「BtoBマーケティング」でよくある悩み
「自力でBtoBマーケティングを実践しているがなかなか成果が出ない」
「マーケティング部門が創設されリーダーに抜擢されたのだが、営業部門から期待されていないと感じる」
「成果拡大のためにデジタルマーケティングツールを導入したいが、何に着目して選んだらよいのかよくわからない」
これらは多くの企業、特に伝統的な大手企業からよく伺う声です。私たちは、HubSpotを用いて、実践型のBtoBビジネスコンサルタントとしてマーケティングとセールスの成果向上を支援してきました。伝統ある大手企業からこれから成長していくベンチャー企業まで、数多くのクライアントと会話する中、冒頭に挙げた悩みを口にするマーケティングリーダーが少なくありません。
BtoCに関してはナレッジも多く、マーケティングが実践しやすい環境が整っているように感じます。実施することは明確ですし、Googleアナリティクスをはじめとして必要なツールを使いこなしている企業が多いのではないでしょうか?
Webで収集したデータを活用して、リマーケティング広告を打つなどといったマーケティングも普通に行われています。何よりも情報も指南書も巷に溢れかえっています。
日本企業はなぜBtoBマーケティングに弱い?
対してBtoBマーケティングは未開拓の部分が多く、とたんにやり方がよくわからないという話になるのです。
日本企業、特に大企業でBtoBマーケティングがうまく行っていない理由の1つは、法人営業部門が強すぎるからです。消費者を相手にするBtoCマーケティングと違って、法人相手のBtoBマーケティングに関しては、営業部門が主体となって行っていました。
しかしそのマーケティングは、高度成長期の成功体験に基づくものであり、デジタルを活用する最新のBtoBマーケティングとはかなり性格の違うものでした。
つまり日本企業、特に大企業の多くはいわゆる「BtoBマーケティング」の経験がほとんどないのです。そのためBtoBマーケティングを理解し、そのための方法論やツールを使いこなしている人材が全くと言っていいほどいません。