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日本エレキテル連合、“誰も傷つけない笑いに傷つく”生きづらさと「唯一無二のネタ」に迫る

暮らし

「誰も傷つけない笑い」に傷ついている

日本エレキテル連合

中野聡子さん

――世間的には「誰も傷つけない笑い」が求められていますが、ネタ作りにも影響はありますか?

中野:一応、人前で発するからには自分たちの言葉に責任を持つことを、ものすごく気をつけているんですけど、そもそも「誰も傷つけない笑い」なんてないと思っています。

 私たちはその「誰も傷つけない笑い」に傷つけられているんです。傷つけないとか言ってるけど、私たちはその健やかなことに傷ついているんですよ。さっき、若い人たちの闇が分からないって言ったんですけど、実はちょっとは分かるんです。私たちのネタで救われる人もいますし。

橋本:うん、傷つく。とっても。

中野:なので、なるべく言葉選びには気をつけています。あと、変わった人を演じるときには元ネタを特定できないように、宇宙人にしたりしています。何が誰を傷つけることになるか分からないので、架空の星の話とか。その人たちをマイノリティにしないように心がけています。最近は逃げ道を作ることばかりに長けちゃって良くないんですけど。

――最近は女性芸人さんの在り方もよく話題に上がりますが、そこら辺も意識されていますか?

橋本:あんまりそんな話をしたことはないですね。意識してないです。

中野:自分たちが面白いと思うことをやったら、性別を超えちゃったと思っています。見ている人も女性が男性を演じているってあんまり思わない。ただ、得だなと思うことは、男の人がやると叩かれるような下ネタも、私たちがやるとなぜか見れちゃう。相方にすごいセクハラをするネタがあるんですけど、たぶん男性が演じると見ていられないのでお得だなとは思います。

2人ともテレビっ子

日本エレキテル連合

――2人のネタには田中義剛さん、やくみつるさんなどどの層に向けているんだろう? というような固有名詞がよく出てきますよね。

中野:本当に申し訳ないです(笑)。固有名詞が大好きなんですよ。例えば、今の若い方が知らないような固有名詞も平気で使うんですけど、知らなくても笑えるようにしているつもりですし、後でググれば良い。知ってる世代を無視することは良くないと思っているんですよ。今はその人たちの娯楽がないので。

 前に、やくみつるさんのことをネタに出したら、相撲芸人の押しだしましょう子ちゃんがやくさんの奥様に伝えてしまって(笑)。

橋本:本当にびっくりしたよね、何で言うかな~って(笑)。あえて失礼なことを言って、笑いにしてるんだよって一応説明しておいたんですけど、たぶん分かってないですね。

――結局、大丈夫だったんですか?

中野:分からないです。「奥様喜んでたよ」って言われたんですけど、そりゃ大人だから嫌だとは言わないですよね。でも嫌に決まってるじゃないですか(笑)。

橋本:固有名詞を出しちゃうのはきっとテレビっ子なんだよね。

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