マンガでわかる「投資を始める前」に準備するべき、いちばん大切なこと
金融庁が2021年6月に公表したデータによると、つみたてNISAの口座数は302万2422口座となり、前年より約1.6倍の増加と大きな伸びを見せています。とくに20~30代の口座開設数が急増しており、コロナ禍を背景に将来のマネープランに本格的に向き合う人が増えたものと思われます。
2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆している個人投資家の水瀬ケンイチ氏(@minasek)は「つみたてNISAは、インデックス投資ととても相性がよいです」と語る。今回は水瀬氏の13万部突破のベストセラー『マンガ お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)より、その理由を紹介する(以下、同書を一部編集の上、抜粋)。
※本インタビューの最後には『お金は寝かせて増やしなさい』のマンガの一部を特別公開!⇒先にマンガを読む(次へ>をタップすると次の画像が見られます)
インデックス投資でいちばん大切なこと
「つみたてNISA」は投資信託等を定期定額で積み立て、利益が非課税となる制度ですが、インデックス投資ととても相性がよいです。インデックス投資とは、日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)など市場の値動きを示す指数(=インデックス)との連動をめざす投資手法です。
ところで、インデックス投資においていちばん大切なことは何でしょうか。それは「自分のリスク許容度を知ること」です。リスク許容度とは、投資家の許容できるリスクの範囲のことで、資産運用で発生する損失を1年間でどの程度受け入れられるかの度合いをいいます。◯%という率で表したり、◯万円という額で表したりします。
言い換えれば「最悪の事態を想定する」ということでもあります。これからインデックス投資を始めようとする方はこう思われるかもしれません。「投資をまだ始めてもいないのに、なぜわざわざ最悪のことなんか考えなければいけないんだ?」と。ごもっともです。
「リスク許容度」とは何か?
古典的名著『道は開ける』(デール・カーネギー著)では「悩みを解決するための魔術的公式」として「最悪の事態を覚悟する」ことの効用を述べています。人間というのは面白いもので、一度、最悪の事態を覚悟してしまうと、逆に心が落ち着いてくるというのです。その範囲内の出来事ならなんなくやり過ごせるようになります。
インデックス投資でバイ&ホールドをする場合にも、これが応用できます。自分のリスク許容度を把握し、最大損失がその範囲に収まるような運用をすれば、あとはゆっくり寝かせておくことができます。
リスク許容度は、その人の仕事の収入、年齢、家族構成、性格まで関係してくるので、人それぞれ違って当然のものです。「多少の損失は気にならないよ」という人もいれば「1円でも減ったら嫌!」という人もいます。また、「今は子どもの教育のお金がかかるから無理はできないけれど、あと5年経てばちょっと冒険してもいいかも」というように、それぞれのライフステージによっても変わってくるものです。