「天才てれびくん」から夜の世界に 。月給8万円の底辺ホストが売上No.1になるまで
怒られっぱなしのてれび戦士時代
『天才てれびくんMAX』はトークだけでなく、歌やダンス、演技などさまざまなことに挑戦する番組だ。どれも経験のないルイさんは周りについていけず、苦しい毎日を送っていた。
「スタッフさんから『来週までにこのダンス覚えてきて』と当たり前のように言われるのですが、どれもレベルが高くて。必死に練習してもついていけず、最初のほうはずっと怒られていました」
番組についていくため、大好きな野球は続けられなくなった。それでも、てれび戦士を辞めたいとは思わなかったという。
「最初は辛かったんですが、歌もダンスも演技も、何度も練習をして本番を重ねたら、少しずつできるようになるんですよね。できることが増えるのがうれしくて、後半は楽しく続けていました。それに、てれび戦士は入れ替わりが激しいんです。1年目は1年間レギュラー出演できますが、2年目以降は1年目の活躍次第で、出演できるかできないかが決まります」
今でも胸に残る父の言葉
「つまりパフォーマンスだけでなく、番組での立ち位置やスタッフさんとの関わり合い、ファン対応などにも気を配る必要があるため、悩んだり立ち止まったりするヒマなんてありませんでした。僕なりにがんばって、中学1年生から任期満了の中学2年生までの2年間、レギュラー出演することができました」
ルイさんが2年に渡って、てれび戦士として出演できたのは父からのアドバイスも大きいという。
「父の職業は職人なので畑違いな仕事ではあるものの、収録スタジオまで車で送り迎えしてもらっているときに、よく『スタッフさんや応援してくれる人を大事にしなさい』と言われていました。そういえば、父が僕を出待ちしているファンの子たちに厚意で飲み物を渡していることがありました。
その行為はスタッフさんに注意されていましたが(笑)。そんな父を見て人一倍、周りの人を大切にしようという思いは強かったかもしれません」