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試着室で壊した“大事な部分”。身だしなみ指導のつもりが大恥をかくまで

コラム

ズボンのボタンを無理やり留めようとしたら

ズボン

 卓也さんは、売り場にあったいちばん大きいサイズを手に取り試着室へ。シャツはなんとか着ることができましたが、スーツのズボンのボタンが留まりません。ボタンをせずに出ていくわけにもいかず、留まりそうで留まらないボタンを必死でハメようとしていたそのとき、ボタンが留まったのでした。

でも次の瞬間、ビリっという嫌な音がして、ボタンがちぎれてしまったんです。僕は思わず無意識に大きな声を出してしまい、心配したTが試着室を覗きました。その瞬間、驚いた僕はズボンを持っていた手を離してしまいます。『大丈夫ッスか?』と、心配するTはさらに、試着室に転がっている糸付きのボタンを見つけてしまったんです」

甥っ子にバカにされ、3万円の痛い出費に

 Tは糸の付いたボタンを手に取り、ゆっくりと卓也さんの姿を見つめ、「ボタン……ぶっ壊してません?」と、苦笑い。突然のことに、言い訳も出てきません。こうして卓也さんは、無理してボタンを留めようとしたことをTに知られてしまったのです。

「試着室を覗いていたTの顔面に、無言でカーテンをかけて追い出し、もとの服に着替えて試着室から出ました。もちろんスーツは、お買い上げ。3万円と痛い出費になって悲しくなりました。それにTからは『自分のサイズに合ったもんを選ぶのも、身だしなみの核の部分っスよね~』なんて言われてしまい、とんだ大恥をかきました」

 その後は、他人の身だしなみには口出ししなくなった卓也さん。身だしなみを整えることはとても大事ですが、アドバイスも求められていないのにダメ出しばかりしていると、卓也さんのように大恥をかいてしまうかもしれません。

<TEXT/山内良子 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[身だしなみにまつわる喜怒哀楽]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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