志田彩良、女優としての意識を変えた現場での気づき「自分の考えを言えずにいた」
経験を重ね、自分の意見を言えるように
――今泉監督が、志田さんは「役についてしっかりと意見が言える人だ」とコメントされています。それは今泉監督だからですか?
志田:お仕事を始めたての頃は、お芝居に対して思ったことがあっても、監督さんから「こうやって演じてほしい」と言われたら、「そうなんだ」と自分の考えを言えずにいたことが多かったです。ですが、経験を重ねていくなかで、自分の意見も言ったほうがいいのだなと感じるようになりました。
演じるのは私。その役のことを一番考えているのも私。思ったことをしっかり伝えることが、作品を一緒に作るうえで大切なことだと気づきました。実際に意見を言うのはやはり勇気がいるのですが、今泉監督は、経験や年齢など関係なく演じる側の意見を聞いて、尊重してくださります。
――そうした考えが出てきたのは、何か周りからの影響もありますか?
志田:現場でいろんな方々が、自分の意見をきちんと伝えている姿を見てきて、伝えるべきなんだと思うようになりました。
壮大な乗り過ごし
――やはりしっかりされているように思います。
志田:両親からは「どこか抜けている」とよく言われます。極度の方向音痴なので、電車の乗り間違いが特に多いです。地図で事前に確認してもよく間違えます。逆方向の電車に乗ったり、降り忘れたり。一度、恵比寿から自宅に帰ろうとしたのに、新幹線で戻ってきたことがありました。
――んん? どういう意味ですか?
志田:自分でもあのときどこにいたのか分からないのですが、寝ていたわけでもなく、気づいたら聞いたことのない駅名に着いていて(笑)。母に携帯電話で連絡して「今、この駅にいるんだけど、どうしよう」と聞いたら、「そこは新幹線じゃないと帰って来られないよ」と。だいぶ遠いところまで行ってしまっていて、新幹線で戻ってきました。