志田彩良、女優としての意識を変えた現場での気づき「自分の考えを言えずにいた」
映画『愛がなんだ』『あの頃。』で知られる今泉力哉監督が、『ふがいない僕は空を見た』の原作などで知られる作家・窪美澄さんの短編を映画化した『かそけきサンカヨウ』が公開中です。
父親の再婚に戸惑い、同級生への思いに心を揺らし、悩みながら成長していく女子高校生の陽を演じて主演を務めた志田彩良さん(22)にインタビュー。陽と同じくしっかりして見える志田さんですが、ご両親からは「どこか抜けている」と言われるとか……。
陽はすごく可愛らしい女の子
――今泉監督とは3回目の映画でのお仕事(『パンとバスと2度目のハツコイ』『mellow』)ですね。とても繊細な作品でしたが、そもそも志田さんありきで成立した映画化企画だと聞きました。
志田彩良(以下、志田):3年ほど前から、今泉監督が「主演映画を志田さんで撮りたい」と仰ってくださっているというお話しを伺っていました。実現したらとても光栄なことだと思いましたが、こんなに早く実現していただけると思っていなかったので、驚きと嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいでした。
――志田さんが演じた陽の印象はどんなものでしたか?
志田:とても温かな原作に今泉さんの色が加わって、さらに魅力的な優しい作品になっています。陽は、大人っぽいしっかりした女の子に見られていますが、自分が思いを寄せている相手からのちょっとした言葉に傷ついたり嬉しくなったり、10代ならではの繊細さを持っていて、とても可愛らしい女の子だと思いました。
仕事を始めたてのころには戸惑いも
――志田さんも大人っぽく見られそうです。
志田:お仕事を始めたてのころは、現場で大人っぽさを求められたりしたのですが、本当はまだ大人じゃないのに、どうしたらいいんだろうという戸惑いがありました。
――10代からお仕事をされている俳優さんは「子どもに見られることが嫌だった」とお話しされることがありますが、志田さんは逆のプレッシャーがあったんですね。
志田:いきなり大人の世界に飛び込んだので、しっかりしないとという不安がありました。