秋冬にはなぜ憂鬱になるのか?「季節性うつ」の症状と対策を医師に聞いた
秋といえば、食欲の秋、行楽の秋、芸術の秋といった言葉もある通り、なんとなく楽しげで、なおかつ気候もちょうど良い、過ごしやすい季節の印象があるでしょう。
しかし、20代フリーライターの筆者にとっては、理由もなく落ち込んだり、倦怠感があったりと、なぜか気分が滅入ってしまう「ゆううつの秋」だったりします。
もしかすると、これらの精神的な症状は、秋から冬にかけて発症する「季節性うつ病」かもしれないとのこと。特に「秋頃から気分が下がり、翌春の3月ごろになると回復する」という場合は、その可能性が高いそうです。
一般的なうつ病にはない症状は?
そこで今回は、ブレインケアクリニック名誉院長の今野裕之氏に、季節性うつ病の症状や原因・改善策・予防策について聞いてみました。
秋から冬にかけて発症する季節性のうつ病は「日照時間の短縮」が原因だと、今野氏は言います。
「(季節性うつ病の原因は)日照時間が少なくなり、紫外線により合成されるビタミンDが少なくなるためです。ビタミンDは、脳内神経伝達物質で感情を調整しているセロトニンやドーパミンの合成や放出に関連し、精神に影響を及ぼすとされています」
気持ちの落ち込みや過眠・過食の症状も
セロトニンは感情を適度に制御することで、精神的な安定をもたらす物質と知られています。このセロトニンの分泌が、日照時間の短縮で減少し、うつ病につながっているのだろうと分析します。
主な症状としては、一般的なうつ病と同様に、「気持ちの落ち込み、不安、焦燥、意欲低下、興味関心の低下、思考力の低下が認められるほか、過眠・過食という症状も見られやすい。一般的なうつ病と同じように、季節性のうつ病も人によって症状の程度は異なります」。
例えば「身の回りのことができない」「仕事に行けない」など、日常生活に支障をきたす症状が何日も続くなら、通院するべきだそうです。