嘘みたいな「200円のウインナー弁当」が爆売れ。ローソンストア100の部長に聞く、10年間の苦労
コロナ禍で自分のためにお金を使う人が増え、高級食パンや高級布団など「高級」がついた商品が売れるようになった。そんななか、200円(税別)という低価格で買える「ウインナー弁当」が予想外に好評だ。ウインナー弁当はローソンストア100の関東エリアで2021年6月30日に発売された、ご飯とウインナー5本だけの商品。
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「え? おかずがウインナーだけ?」と思うかもしれないが、これが話題となり2021年8月25日から、近畿地方を中心に全国展開にまでなったのだ。しかし、発売までに10年の歳月がかかったという、なんともドラマ性がありそうなお弁当。
このウインナー弁当の発案者でもある、株式会社ローソンストア100・運営本部統括部長の林弘昭氏に話を聞いてみた。
ウインナーはメインのおかずになる
2011年、関東運営部にいた林氏は、ウインナー弁当を商品化するアイデアを思いついたそうだ。それは「ウインナーはお弁当のメインにならない」というこれまでの考えを覆すものだった。しかし、企画を商品部に出しては却下され続けていたという。10年経ってからようやく商品化されたが、一体どんな背景があったのか?
「2015年に近畿運営部に転勤になった際、協力してくれた商品開発者がいました。近畿限定商品として発売寸前までこぎつけたのですが、私が関東に戻る辞令がでたため、発売も立ち消えてしまったんです。その時の協力的な商品部の商品開発者が2020年、関東に異動になり、また一緒にウインナー弁当にチャレンジをして、発売になりました」
ウインナー弁当をリリースするためにどんなことをしたのだろう。
「私は店舗の運営をする運営部の人間なので、商品を発売するためには商品部の開発者を巻き込んで、サンプルを作ってもらったり、新商品のプレゼン会議に通してもらったりということが必要です。今回、協力してくれる同志に会えたので実現しました」
10年間プレゼンの繰り返し
また、林氏から、ローソンストア100で新商品の発売を決定する流れを教えてもらった。
「商品部の開発担当者がサンプルを作って商品部内で提案、プレゼンします。部内からOKがでると、次に運営部(店舗運営)や社長など幹部のいる場でのプレゼンとなり、試食なども経て発売が決定します」
え? これを10年も繰り返してきた? 普通の人ならモチベーションが下がって途中で諦めてしまいそうだ。
「自分のなかでウインナー弁当は『絶対売れる』という確信がありました。『売れるはずがない』というのは内側・売る側の論理で、お客様にぶつけてみないとわからないと思っていました。『諦めたらそこで終わり』そう思っていたんです」