10巻以下で楽しめる「完結済みマンガ」5選。大型連休のステイホームに
3:わずか8巻で描く壮大なSFストーリー
『スプリガン』(全8巻)
作者名:皆川亮二/たかしげ宙
出版社:小学館
2022年にアニメ化が決定した皆川亮二の傑作。現代では及びもつかない知識や科学力を持っていたとされる超古代文明の遺産を、悪しき者たちから守るべく戦う特殊工作員「スプリガン」の一員・御神苗優(おみなえ・ゆう)を主人公に据えた壮大なSFマンガです。
今から20年近く前に完結したマンガですが、改めて読んでもまったく古さを感じないどころか、重厚でリアリティのある世界観には今よりもっと先の未来すら感じます。全8巻ですが、満腹感を得られる濃密なストーリーに加え、疾走感のあるアクションシーンにはスカッとすること間違いなし。家にこもりがちなお休みに一気読みすることをおすすめします。
4:文明崩壊後の世界で焼かれながら生きる青年の苦悩
『ファイアパンチ』(全8巻)
作者名:藤本タツキ
出版社:集英社
『チェンソーマン』で知られる藤本タツキのダークファンタジー。文明崩壊後の世界で、妹を殺され、消えない炎に焼かれながら生き続けることになった青年を描いた物語です。
最初は荒廃した世界の倫理の破綻ぶりに戸惑いますが、巻を追うごとにストーリーが二転三転し、「この物語はどう着地するんだ!?」と先が気になって仕方がなくなります。
家族を失い、絶望の淵に落とされた男の復讐譚であり、特殊な能力を持った者同士のバトルマンガでもあり、文明の崩壊により映画という娯楽が失われた世界で、映画の上映を試みる映画マンガでもあるという、独特の世界観に病みつきになって時間を忘れます。全8巻という手に取りやすさも魅力。
5:聴覚障がいの少女をめぐる成長と青春
『聲の形』(全7巻)
作者名:大今良時
出版社:講談社
退屈嫌いの悪ガキ・将也と、聴覚障がいを持つ少女・硝子。この2人の出会いによって、彼らや周囲の人々の人生が変わっていく成長と青春の物語です。はじめは小学生の将也が退屈を紛らすために硝子をいじめるシーンに胸が痛くなります。やがて将也自身にいじめの矛先が向かい、徐々に将也が孤立していくようになると、もっとつらくなります。
しかし、人を傷つけ、自分も傷つけられたという経験によって、将也の心に変化が生まれる様子を見るうちに、最後までこの物語を見届けたくなってくるはず。高校生になった将也が硝子とはじめて“会話”をするシーンには、彼の人としての大きな成長を見ることができます。
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以上、ステイホームのシルバーウィークにおすすめ、10巻以下で完結のマンガ5作品を紹介しました。普段マンガを読まない方も、この機会に電子書籍で手に取ってみてはいかがでしょうか。
<TEXT/総合電子書籍ストア「ブックライブ」 西村 葵>