『愛の不時着』の会社はホラーも凄い!夏の終りに必見な韓国ホラー3選
人気監督による呪殺スリラー『謗法~運命を変える方法~』
「私が呪い殺してあげます」――。本作の主人公は、写真と漢字で書かれた名前、その人の持ち物さえあれば、相手を呪い殺すことができる「謗法(ほうぼう)師」の少女、ソジン(チョン・ジソ)。正義感あふれる新聞記者のジニ(オム・ジオウォン)とともに、悪霊を使って悪事をはたらく新興IT企業と戦う。
全体的に静かな雰囲気の作品なのだが、目を惹くのが謗法による呪殺の様子。呪いをかけられた相手は、体のあちこちをメキメキとねじ曲げられ、頭や腕や足があらぬ方向に曲がった状態で血の涙を流しながら絶命する。この死に様をバッチリ映し出しているのだが(しかも何度も!)、よく地上波で放送していたものだ……。ほかにも祈祷師、呪術師たちとの呪殺バトルの過程で、さまざまな強烈な死に様が登場するので要注目。
もうひとつ注目は、主人公のソジンを演じているチャン・ジソ。アカデミー賞4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(19年)で、金持ちの家の女子高生を演じていた若手女優だ。暗い運命を背負い、他人をいとも簡単に呪い殺すことができる能力を持つ少女役をミステリアスに演じている。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16年)でセンセーションを巻き起こしたヨン・サンホ監督が脚本を担当しているのもポイント。本作が初めて執筆したドラマ作品となる(演出はマ・ドンソク主演映画『ファイティン!』のキム・ヨンワン監督)。巨悪の企業と主人公たちが戦う物語は、『ヴィンチェンツォ』や『悪霊狩猟団:カウンターズ』などと共通しているが、これらの作品同様、本作にもスタジオドラゴンが企画に携わっている。まさにスタジオドラゴン無双。こちらはFODで独占配信中。
【謗法~運命を変える方法~】
配信:FOD
出演:オム・ジウォン、チョン・ジソ、ソン・ドンイル他
『クェダム 禁断の都市怪談』都市伝説の恐怖を描くショートオムニバス
日本のホラー映画が好きな人が意外とハマるんじゃないかと感じたのが、Netflixで配信中のオムニバスホラー『クェダム 禁断の都市怪談』(20年)。全8話合計64分という短編なので、サクッと観ることができる。
韓国版『世にも奇妙な物語』とか、韓国版『怪談新耳袋』なんて評されることもある本作。短い分だけ展開もスピーディー。「うわっ、ヤバっ」と思った瞬間、ものすごい勢いで怪異が現れて、「ギャッ!」と思っている間に登場人物を猛烈に酷い目にあわせてデデン!と終わる。
夜、ベッドに入ってスマホで観るのもよし、パーティー(あ、今はダメか)で流してみんなで怖がるのもよし。いろいろな楽しみ方ができるホラードラマだ。
【クェダム 禁断の都市怪談】
配信:Netflix
出演:ソラ、イ・ヒョンジュ、ソン・チェユン 他
<TEXT/ライター 大山くまお>