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コロナで増えるSNS詐欺トラブル。いいねやRTから“数十万円の被害”も

ビジネス

無料のはずが徐々にアリ地獄に…

SNS 詐欺

担当編集宛に送られてきた怪しげな勧誘LINE。ブロックしない限り、botのように延々とメッセージが送られてくる

 最近では、LINEなどのメッセージアプリに何の気なしに友達登録した結果、被害に遭うケースもあります。2020年10月、消費者庁から「毎月10万円もうかるビジネス」などと謳っていた業者への注意喚起がなされました

 それによると、まず副業の情報を無料で教えたうえLINEで友達登録をさせ、「一日30分程度の時間で+10万円を可能にするシステムをぜひ、明日から体験してくださいね(^^)」といったメッセージを送ってきます。

 そして、登録者がURLをタップすると、副業情報が9800円で売られている画面に。さほど高くない金額ですので、「お金を稼げる」と思い込んだ登録者はついつい申し込んでしまいます。後日、「在庫を抱えることなく儲けられるノウハウ」が書かれた情報がPDFで送られてきます。

 具体的には、通販サイトに任意の商品を出品し、注文があった場合、別の大手通販サイトを使い安価で購入し、購入相手に転送するというもの。

 しかし、扱う商品に関しての記述はなく、この内容だけでは稼げません。多くの人は詳しい内容を聞き出すために相談ダイヤルに電話をすることになります。実はこの電話をさせるのが業者の狙いなのです。

相談ダイヤルで勧誘される

 私もこの手の業者に電話をしたことがあります。相手の男はノウハウを教えてくれるわけでもなく、すぐに月収100万円が稼げるという、55万円の有料コースを勧めてきました。もはやこれは相談ではなく、勧誘です。

「ぜひ、当社のシステムを利用しましょう!」。私がその答えをスルーしても「僕らがしっかりとサポートします。お任せください。いかがでしょう?」と業者。さらに、「お金を払って損した人は、1人もいないのです。あなたを笑顔にする自信があります。すぐにスタートしましょう」と、執拗に「やりましょう!」と連呼します。

 この男の目的は、私から「はい」という、契約の同意を取り付けさせようとすることです。多くの人は、契約書を書いてハンコを押せば、契約になると思っているかもしれませんが、契約書など書かなくても、口約束で「はい」といっても契約は成立してしまいます。業者はそのあたりを熟知していて、同意の言葉を先の投げかけによって得ようとしてきたわけです。

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