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ジョニー・デップ主演映画に水俣市「後援拒否」。その真相と撮影秘話

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水俣市が後援拒否したのはなぜか?

ミナマタ

ジョニー・デップからもらった手巻きタバコと製作陣と一緒に製作したヘルメット(平野氏提供)

 当初、上映予定は2019年の秋だったようですが、コロナ禍で延期に。さらに「水俣市が水俣映画の後援を拒否した」という西日本新聞の記事が出ます。記事によると拒否した理由は「内容や制作意図が不明のため」ということでした。これに関して平野氏はこのように語ります。

「9月に公開される全国上映の前に、水俣市で先行プレミア上映の名義後援の打診したのですが、水俣市は断りました。地元有志の実行委員会の方々は『水俣市での上映のための名義後援をしてくれ』と言っていたのですが、ダメだったみたいですね」

 本来、水俣で撮影するシーンもあったそうですが、それも水俣市が断ったのは本当でしょうか。

「撮影にあたり制作陣は水俣病患者やその家族らに面会や取材を行いました。撮影が行われたセルビアの一部の報道ではジョニーが水俣市に撮影をお願いする手紙を書いたとも噂されていました。真実は分かりませんが、セルビア映画祭で上映されたエンドロールには撮影協力として水俣市の明記があったので、東欧での撮影後に水俣市で撮影したのかもしれませんね」

水俣市役所所に後援拒否の真相を聞いた

 後日、水俣市役所に連絡を入れて、後援を拒否したことについて聞いてみたところ、市役所側はこのように回答しました。

「記事掲載の内容は事実です。実行委員会から水俣市で『後援をしてもらえないか』とお願いがありましたが、水俣市がいろいろ検討してお断りをしました。ただ、西日本新聞さんの記事だと『水俣市が強く拒否した』というような文章で書かれていますが、そうではありません。こちらとしては『後援はしませんが、上映そのものについては否定していませんよ』という感じです」

 ちなみに、地元の有志らで集められた水俣実行委員会により、熊本県水俣市の市文化会館で9月18日に先行プレミア上映が行われます。水俣市はこれに対しても関与しないとのことです。しかし、セルビアで行われた撮影に参加した日本在住のエキストラの人たちが積極的にボランティアを志願しています。本編の外でも、みんなでこの映画より良い作品にしようと頑張っているようです。

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