ジョニー・デップ主演映画に水俣市「後援拒否」。その真相と撮影秘話
250人もの日本人をどうセルビアに集めた?
250人もの日本人エキストラを、セルビアに住んでいながらどのように集めていたのでしょうか。
「エキストラは通常、出演料がピンキリなため、まず制作会社と1人あたりの出演料の賃上げ交渉をしました。エージェンシーを通して、ハリウッドの制作会社に交渉したところ快諾。これにより人を集めやすい環境を作ることができました。
エキストラの人材募集はYouTube『セルビアちゃんねる』のファンに向けてセルビアの情報を発信する場として活用しているFacebookグループから行いました。当初、日本人は250人も集まらないと思っていたのですが、世界中の日本人から350人くらいの募集がきて驚きました(笑)」
本作の撮影期間は2019年1~3月ですが、その2か月前の2018年11月から準備が始まったようです。本物の水俣市は漁村の暖かい気候ですが、セルビアは寒い冬の時期。薄着でカメラリハを行っていたので、平野氏は「寒くて凍えそうだった」と話していました。
普段のジョニー・デップはオーラがなかった?
準備期間も無事に終わり、主演のジョニー・デップ氏がいよいよクランクイン。現場はピリピリムードだったようです。この日は平野氏も演者として参加しました。
「ジョニー・デップを初めて見た感想ですが、『え? こんな、おじさんなの?』でした(笑)。なんとなく、現場のみんなも拍子抜けした感じになったと思います。ジョニーにオーラがないんですよ。しかし、みんなに対しても気さくに声をかけて、現場にイコールの状況を作ってくれていました。私にも映像をより良いものにするために色々アドバイスをしてくれました」
そしていよいよ本番が始まった際、平野氏は足が震える経験をしたとか。
「本番が始まってジョニーの顔を見たら目が違ったんです。オーラがものすごくて。急に足がガクガク震えてしまいました。とにかく圧倒的なオーラでしたね。國村隼さんもその日、撮影されていたんですが、撮影の最初のほうはジョニーのオーラに圧倒されているような感じに見えました。そのくらい凄まじいオーラでしたが、撮影後は陽気なジョニーが自ら場を和ませてくれました」
ジョニー・デップ以外のスター俳優として、海外で活躍している真田広之も出演。特に真田さんのエキストラコントロールが完璧すぎて、すごかったと平野氏は驚いていました。セルビアでの撮影もベテラン俳優たちのおかげで無事に終了したようです。