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マルチ集団の実態を描いた実体験漫画。被害者の心情は「推しに貢ぐ感覚」

暮らし

脱会してからのほうが辛かった

――今振り返ってネットワーク集団の中で1番辛かったことはなんですか?

勇者りっこ:月13万円の商材購入費や、セミナー参加費を稼ぐため仕事をかけもちしていたことです。それでも、なんだかんだいって当時は楽しいと思っていました。悪いことをしてる自覚なんてないし、キラキラした人たちに褒められて、目標に向かってがむしゃらにがんばって。

 正直、脱会してからのほうが辛かったです。夢から醒めて現実に触れたような感じで、しばらくは悩み続けましたね。

――ネットワークビジネスと不本意な関わりかたをしないにはどうすればいいと思いますか?

勇者りっこ:少しでも違和感を感じたら人に相談することが大切だと思います。家族や他のコミュニティの友人など、今までに築き上げた信頼関係を頼ってみてください。身近に頼れる人がいない場合は、国民生活センターなどに相談する手もあります。

 内部にいたときは「自分で決めたほうがいいよ」「親は心配するものだから(今は相談しないで)成功して安心させてあげればいいよ」とよく言われていました。ネットワークビジネスに限らず、特定の人以外とのコミュニケーションを持っておくのは必要だなと思います。

違和感を覚えたら人に相談することが大切

悪徳ネットワークビジネス集団にいた話

当時はおかしな言い分も鵜呑みにしてしまっていた

――特にどのような方に本作が届いて欲しいですか? また読者へメッセージなどがあればお願いします。

勇者りっこ:現状に変化を求めている方々に読んでいただけると嬉しいです。コロナ禍で仕事や家庭がうまくいかなくなり、このままでいいのかと悩んでいる方も多いと思います。そんな時にネットワークビジネスは、魅力的にみえるかもしれません。

 すべてが悪いところだけではないし、実際に成功している人もいます。ですが、自分が成功するか養分になるかはわかりません。そもそも、だれかを搾取して成り立つビジネスに、手を出していいのか、立ち止まって考えてもらいたいです。

 これに限らず、あくどいところがあるビジネスは世の中に溢れていると思います。ですので、実体験をもとにした教科書というか、その全般の知識を得るきっかけになってくれればいいなと思います。

ぺぺ彦:「悪徳ネットワークビジネス集団にいた話」以外にも、現在新作の制作を進めています。今後そちらも読んでもらえると嬉しいです。

【マンガで「悪徳ネットワークビジネス集団にいた話」を読む】⇒次へ>をタップすると次の画像が見られます

<取材・文/日比生梨香子>

【勇者りっこ&ペペ彦】
30代専業主婦のりっこがストーリー、30代既婚フリーランスのぺぺ彦が漫画を担当し、ネットワークビジネスにハマってから抜けるまでの漫画を自身のブログにて連載中
Twitter:@ricco_pepehiko
ブログ:「勇者りっこ(とたまにペペ彦の)いろいろ日記

フリーライター。サブカルチャーとグルメ、自由業のキャリアに関心があります

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