須藤元気に聞く、日本を豊かにする方法「政治家になるために格闘家になった」
残りの4年間に全力を注ぐ
――秋ごろに予定されている衆議院選挙で、野党が躍進するためになにが大切ですか?
須藤:「消費税廃止」や「一律の現金給付」など目玉政策を掲げ、前面に押し出す必要があります。むしろ、これらの政策を掲げられなければ、議席を伸ばすことができても政権交代は不可能だと思います。平時であれば徐々に議席を伸ばし、虎視眈々と政権交代を目指すやり方もあるのかもしれません。
しかし、今は非常時です。「生活できない」「将来が不安」といった理由から自ら命を絶つ人は増加しています。にもかかわらず、困窮者に対する適切な支援がなされないどころか、まともな議論さえされていない。現状を変えるためには、既存の枠組みから外れ、大胆な動きを見せるしかありません。
――第一野党である立憲民主党は、消費税廃止に曖昧な態度を見せています。
須藤:立憲民主党のブレーンは緊縮財政を信仰している方が多い。加えて、代表の枝野(幸男)先生は旧民主党政権時、三党合意で消費税増税を決定した過去があります。それこそコミットメントと一貫性の原理が働き、消費税廃止を打ち出せないのかもしれません。しかし、何度も言いますが今は非常時です。現在のブレーンの方々を外したり、先述したように目玉政策を掲げたりなど、大胆かつ適切な方向転換が求められます。
――最後の質問です。これまで様々な活動に挑戦してきましたが、今後はどのような歩みを進めていく予定ですか?
須藤:私はまだ任期が4年残っています。今はこの4年間を全力で取り組み、政府が積極財政に舵を切るための活動に従事するつもりです。4年後については一切考えていません。政治は多数決の世界です。仮に51:49の僅差であっても多数派の声が大きくなるので、この“2”を動かせるように心血を注ぎます。
<取材・文/望月悠木>
【須藤元気】
参議院議員。1978年、東京都江東区生まれ。拓殖短期大学卒業、拓殖大学大学院地方政治行政研究科地方政治行政専攻修士課程修了。1996年全日本ジュニアレスリング(グレコローマンスタイル)優勝。その後プロの格闘家へと転身し、UFC-JAPAN王者に。引退後は、レスリング指導者、アーティスト活動、英会話学校の立ち上げなど、多岐にわたる範囲で活動した。2019年に立憲民主党公認で立候補し初当選するも、2020年からは無所属となる
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