なぜ出汁の味が東西でちがう?関西と関東「食文化の常識」3選
関西のパンはごはん、関東はおやつ
パンへの愛は西高東低であり、それは総務省の家計調査にも表れている。しかし東西で違うのは、消費量や購入金額だけではない。
例えばパンに対する認識だ。関東でのパンはあくまでも間食であるという。なぜなら東京では、明治時代のころに菓子パンをきっかけにパン食が広まったので、今も餡パンのような手軽でおいしいものが人気なのである。
ところが、関西ではちゃんとした食事として見られている。関西でのパンはホテルやレストランのメニューとして出されていた。そのため、パンは普段の食事として食べるものというイメージが根強く、食べ応えのあるボリューミィなものが好まれるというのだ。つまり関東のパンはおやつ、関西のパンはごはん。そんな好みの違いは、食パンにも表れている。
厚さの違うパンが好まれる理由
食パンはあらかじめスライスして売られているものも多いが、何枚切りにするかは地方で異なる。関東では6枚切りが主流で、さらに薄い8枚切りもよく売れている。一方の関西では5枚切り、4枚切りといった厚めのものが好まれる。実際、関東では4枚切りにはあまりお目にかからず、関西では8枚切りを置かない店も多い。ようするに、関東は薄切り、関西は厚切りが主流なのだ。
こうした食パンの好みを分けているのが、先述したパンに対する認識の違いだ。つまり、関東では手軽に食べられる薄切りが人気になった。逆に関西では腹が満たされる厚切りが好まれているという。
別の説としては「粉もん文化」との関係も考えられている。お好み焼きやうどんなどのもっちりとした食べ物が大好きな関西人は、パンにも同じような食べ応えを求めて、分厚いものを好むようになったという説だ。説の真偽はさておき、いかにも関西人らしい説といえよう。
<TEXT/博学こだわり倶楽部>