ネットで話題の“メロンパンマスク”開発者は20歳子供。次なる目標は「利益3億円」
子供たちだけで稼げるラボの実態
マスクパンを大成功させたラボですが、その実態がどのようなものなのか気になるところ。ラボのスタンスは、子供たちだけでどれだけ稼げるのかだそうです。代表取締役でもある永野氏はこう語ります。
「ラボは準備期間もあって、本格的に始動したのが今年1月で、メインで動いている子供たちは10人ほどです。なかには登録だけですが、8歳の子供もいます。実際にラボの拠点に自由に住んでいるのは10人前後です」
また、ラボは会費制のようですが、その値段はなんと卒業まで10円。一体10円の設定はどこから来たのでしょうか?
「子供に何かを頼むと労働になるという線引きがすごく難しいので、クラブの延長という形にしました。会費で運営していないので一応、10円に設定しています。ビジネスに関して何も知らない子供たちですが、マーケティングを知らなくても大人に勝てるのではないかという仮説があり、それを子供たちで実験しているところです」
気になるマスクパンや他の開発の売上については「売上の一部を子供たちに還元しています。運営はカスタマーサポートと物流の2つに分かれているのですが、そこで子供たちにバイト代を出している感じです」と語ります。ただ、それ以外の売上も、ラボの拠点に自由に住んでる子の生活費に回していたり、1か月のみんなのお菓子代(なんと5万円)として還元しているそうです。
今後の目標「利益3億円をあげる」
これからヒット商品をたくさん生みそうな予感の2人。最後に、今後の目標をうかがいました。
「今年中に3億円の利益をあげる目標があり、その準備を始めています。大人の真似をせずに、自分たちの力でやっていきたいです。いずれ起業したいと思っていますが、マスクパンもそうですけど、『前例がなくてもできるという前例』を作りたいと思います。起業はお金かかるイメージですが、今回のマスクパンで、お金がなくても起業できるということを証明できたと思います」(太田くん)
「無駄な知識が入っていないからこそ出てくる発想もあるので、そういうものを大切にしていきたいです。真面目にがちがちの経営をするより、わいわいみんなで楽しんで、どうすれば世間を喜ばせるかというものを考えていきたいです」(長谷川くん)
「子供たちの力で成功できたということを大人に証明したかった」と語る2人。子供たちが成し遂げた象徴として、メロンパンマスクの売上で現在無人島にツリーハウスを建設中のようです。勢いが止まらないラボの子供たち、その姿に私たちも何か学ぶことができるのではないでしょうか。
<取材・文・撮影/大川藍>