グッズ累計販売数3000万個。偶然生まれたキャラクターが大ヒットしたわけ
お小遣いで気軽に買えるロープライスな品揃えで女子小学生を中心に圧倒的に支持されているサン宝石。「サンホ」の愛称でも親しまれており、1979年の創業以来、約半世紀に渡って子どものおしゃれ需要に応え続けている。
この「サンホ」にはある人気キャラクターがいる。その名もほっぺちゃん。2010年に誕生し、グッズ累計販売数は約3000万個というエースキャラクターだ。5月にはサン宝石本社の所在地である山梨県中央市で特別市民として認定されるなど、幅広く愛されている。
実はこのほっぺちゃんは、商品開発などを経ずに偶然に生み出されたキャラクターだという。ほっぺちゃん誕生秘話、そしてなぜサン宝石は世代を超えて愛され続けるのか、その背景にあるものを取材した。
ほっぺちゃんの誕生秘話
「当時流行っていたスイーツデコを制作するパートさんが余った材料でキャラクターを作ったんです。その時に偶然生まれたのがほっぺちゃんです」
このように話すのは通販事業部カタログ制作・ECマネージャーの渡邊さん。誕生の経緯からもわかるように、当初ほっぺちゃんがここまで売れるとは考えられていなかった。
「キャラクターを作ったパートさんが、当時店舗で販売するためのデコパックの一部の中にそのキャラクターを入れたところ、そのキャラクターが入ったパックだけがとても売れたんです」
ちなみにこの時点ではまだほっぺちゃんという名前もつけられておらず、無名のキャラクターのひとつだった。
余った材料から生まれたほっぺちゃん
「店舗スタッフからの報告で、子どもたちがパックの中身を確認しながらキャラクターが入ったパックを探して購入している、という情報が本社に入り、『そのキャラクターに魅力があるのでは?』と、カタログに掲載する商品としての企画に上がるようになりました。
カタログに載せるからには何か名前が必要です。ほっぺちゃんという名前は、ほっぺにストーンがついているからというような感じでつきました。カタログに掲載されてほっぺちゃんは『サンホ』を愛する全国の女子小学生の目に初めて留まることになりました。すぐにほっぺちゃん関連の商品の注文が集中しました」
以降、ほっぺちゃん人気は拡大し、現在にも続くヒットに至る。