汚部屋育ちでも東大合格「トイレも風呂も使えない」勉強法
芸大から東大へ「すごい楽しかった」
――現役で東京藝術大学美術学部先端芸術表現科に合格していますが、大学受験のやり方を教えてください。
ハミ山:自分の場合はただただ運が良かったのだと思います。
――芸大は楽しかったですか?
ハミ山:すごい楽しかったです。高校の時は自分の常識のなさでちょっと浮いちゃうことが無意識に恥ずかしくて、同級生に対して劣等感みたいなものがありました。大学に入ると、ちょっと変なところがあっても全然浮かないっていうか、他の人もっと変だわ、みたいな(笑)。すごく居やすかったです。
――それなのになんで辞めることにしたんですか?
ハミ山:母から芸大について「いつまでいるの?」って言われて、「あ、ずっといないんだ」と。その時は母がそう言うならと思って、東大受験をすることにしました。芸大の面接でも「生物学と美術が結びついた作品(バイオアート)をやりたい」と言って入ったのですが、知識が足りなくてできなかったので、生物学をきちんと学びたいというのもありました。
ゴミの山の中で勉強すると過集中になる
――漫画の中では、ゴミの山の上に布団を丸めて机にして勉強していましたよね。東大の受験勉強はそのような感じでしたか?
ハミ山:ゴミの中で勉強すると、娯楽が周りにないから過集中になれます。ちょっと漫画見ちゃおうとか、ゲームしちゃおうとかできないから勉強に集中できるんです。家だけでなく、塾の無料公開授業とか、図書館とかタダで行けるものは結構利用していました。今だと、YouTubeで無料で観られる学習動画がたくさんあるので羨ましいなと思います。あとは駅のホームでよく勉強していました。
――えーーっ、それで勉強できるようになるってすごくないですか?
ハミ山:高校が進学校だったのもあるんですよね。「受験させるぞ!」っていう雰囲気の中で、学校の授業を真面目に聞いていました。
――東大しか受けなかったんですか?
ハミ山:私立を併願すると、受験料だけでも結構かかりますよね。それは「あり得ないでしょ、受かったところで行けないよ」って言われて。確かに、私立の授業料を払えるわけないと私も思い、東大1校だけ受験しました。