父が急に高熱を出して入院。原因はオウム?ペット購入時の注意点を専門家が解説
医師に「鳥を飼っている」ことを伝える
父親に代わり、再度彼女が鳥の世話をしていましたが、やはり餌を食べないので、鳥を診てくれる動物病院で検査を行いました。この時、獣医からある言葉を聞いて、彼女はハッとしました。それは「人間にもうつるオウム病という病気がある」というものでした。
「もしや、父の熱が下がらないのは、これが原因かもしれない」と感じた彼女は父の入院する病院に行き、「鳥を飼っている」ことを医師に伝えました。オウム病などの感染症の検査結果が出るのは時間がかかるため、話を聞いた医師は、すぐにある薬を飲ませました。すると、熱が下がり始めて症状が劇的によくなりました。
後日、精密検査も行い、医師からは肺炎(オウム病の疑い)の診断書をもらいました。鳥の検査においても、人がオウム病を発症してしまうクラミドフィラ・シッタシのほか、マイコプラズマを持っていると獣医から伝えられます。「生後数か月目の雛鳥がこうした2つの病原体を持っているのはあまり見たことがない」とも言われています。
その後、彼女は鳥の販売店に治療費や慰謝料などを払うようにお願いをしましたが、拒否されてトラブルに発展しています。
購入した店には怪しい点がちらほらと…
ここでポイントになるのは、「購入時点でクラミドフィラ・シッタシを持っていた鳥が父親にうつしてしまったのか」という点でしょう。動物が好きなうえに、まめな性格であるA子さんに購入当日からつけていたという成長日誌を見せてもらいました。私が注目したのは、初日から「フンが水っぽかった」との記載です。
先に述べたようにペット販売において、法律では18項目の重要事項を対面で説明しなければなりません。店側ものっとった形で、それらの説明をしたことへの同意書にサインをさせています。しかし、この用紙にあった「下痢」の項目は「していない」ほうにチェックをさせていた点は疑問です。
日記の記述との矛盾があるからです。本当に、個別の鳥の体調をしっかり管理できていたのでしょうか? ここに、法令遵守しても販売トラブルが起きてしまう原因があるように思いました。それを示すような状況が次のことからもわかりました。
具合の悪くなった鳥を獣医に見せた時のことです。彼女は鳥を買ったお店と同じ飼育状況でカゴを持って行っところ、「カゴの下に牧草をおいてはいけません。これではフンの状態がわからず、鳥の体調チェックが充分にできなくないことになります」と獣医師から注意を受けます。