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父が急に高熱を出して入院。原因はオウム?ペット購入時の注意点を専門家が解説

ビジネス

「あんなに元気だった父が、急に高熱を出して、入院しました。あのまま原因がわからなかったら、死んでいたかもしれません……」

老人 入院

画像はイメージです(以下同じ)

 ペットショップで購入した鳥(オウム)の世話をしていた高齢の父親が急に重篤の肺炎となってしまったA子さん。入院した時の状況を思い出しながら、うっすらと涙を浮かべます。

 後に、父親は「オウム病の疑い」との診断を受けますが、この原因の特定に至るまで家族は「死」を覚悟したそうです。オウム病とは、鳥類から感染する病気で、高熱や倦怠感に見舞われ、高齢者がかかると死亡率が高くなり、とても怖い病気なのです

 今回は「ペットショップで鳥を購入にした際のトラブル」について、実例と国民生活センターに聞いた意見をもとに悪徳商法ジャーナリストの多田文明が解説します。(以下、多田氏寄稿)

法令遵守の業者でもトラブルの可能性が

 同センターによると「ペット販売においては、動物愛護管理法において、『現物確認』と『対面での説明』が定められている」ということです。現物確認とは、動物の具合が悪くないかどうかを直接目で見て確認すること。また、動物の病歴、ワクチンの接種状況などの18項目を販売業者は対面で説明をしなければなりません。

 法令遵守している業者から購入することは基本です。もしこれを守らず販売していれば、悪質な業者と考えてよいでしょう。が、法令を守って販売していても、業者とトラブルになることもあります。

 同センターにはこんな相談も寄せられています。20代女性が文鳥を7000円で買って家に連れて帰ったところ、具合が悪そうだったので病院に連れて行くと、「病気なので入院が必要」と言われます。結果的に獣医からは「今後も回復する見込みはない」との診断を受けてしまったのだとか。「入院費と治療費が6万円かかったので、ショップ側になんとかしてほしい」というのがこちらの女性の訴え。

世話をしていたら体調が悪くなった

ペットショップ

 購入直後から鳥の具合が悪いというのは、先の事例とよく似ています。なぜ、このようなトラブルを引き起こしてしまうのでしょうか。

 A子さんは父親とともにペットショップに行き、生後間もない、かわいらしいオウムを見つけて購入しました。さっそく家のカゴに入れて、A子さんが餌をあげはじめましたが、鳥は餌を口にしません。「ペットショップで十分な餌を与えていて満腹なのだろうか?」そう思いながらも、スプーンで口を開けて、ひと口分の餌をあげました。

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