ディズニー、マーベルetc.で活躍する日本人女性イラストレーターを直撃
――仕事を継続していく秘訣を教えてください。
カワノ:自分の毛色に合わない仕事はしないこと。駆け出しのころ、「このイラストレーターさんに似てる絵でお願いできない?」とかっていう仕事とかがあって、引き受けてたんですけど、だんだんササキさんが描けなくなってくるんですよ。苦しくなってきて。
ササキ:うん。
カワノ:それって一番ダメなことだと思うんです。仕事を断るというのは、お金は入らなくなるけど、でもそこは貫いたほうがいいと思うんです。だから、今回の担当さんから来た最初のお話も断ったんです。
ササキ:あとは2人でやっていることで、客観視できていいんじゃないかと思いますね。いいものにしていくために、お互い本音でいろいろ意見を出し合いますし。
――振り返ると、20代はどんな期間でしたか?
ササキ:デビューが20代後半ですからね。
カワノ:それまでは一般の会社で仕事をしていました。趣味で好きな絵を続けながら。
関係のない仕事でもムダにはならない
――一般の会社での経験は、していてよかったと思いますか?
ササキ:それはすごくよかったと思いますね。
カワノ:基本的な常識が身に付きますし、イラストレーターさんの中には、電話が怖いとかいう方もいらっしゃいますし。私たちは、とにかく最初は電話を取ることからだったので。
――独立したい人も、最初は社会人経験をしたほうがいいと思いますか?
カワノ:今はいろいろと道があるので、それは一概には言えないです。でも、ムダにはならないと思います。
――一見、関係のない仕事でも。
ササキ:決してムダにはならないと思います。
――最後に、現在、成功している「グリヒル」さんが、20代だったからできたと思えることを教えてください。
カワノ:私たちは札幌に住みながら東京に売り込みに出てきていました。そのときに、全部ダメだったということも当然あります。でも20代だからこその、ダメ元で! という勢いがありました。
ササキ:マーベルに出したことも、まあ、ダメ元でという勢いですね。やりたいと思ったら、やってみたほうがいいです。挑戦してマイナスにはならない。
カワノ:そこでNGをもらったとしても、得るものは必ずあると思います。
<取材・文/望月ふみ>