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松下幸之助、ジョージ・ルーカス…なぜか成功者に共通する考え方

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ジョージ・ルーカス:先の先を読んだ

ジョージ・ルーカス

 1973年、ジョージ・ルーカス監督は、「スター・ウォーズ」の製作を20世紀フォックスに持ちかけました。実はフォックスの前にユナイテッド・アーティスツとユニバーサル・スタジオにも持ち込んだのですが、断られていました。ルーカスは前作の映画をヒットさせていましたが、映画業界では、SFものは旬が終わったとみなされていたためです。

 そこでルーカスは、申し出の内容を変えることにしました。脚本・監督としての報酬を格安にしたのです。かわりに、ノベライズ権やマーチャンダイジング(おもちゃのキャラクター権)などの権利をルーカスに属させるというものでした。

 フォックスとしては、SFものということでルーカスと言えど、数字(結果)が読めないこと、また、当時、ノベライズ権やマーチャンダイジングといった権利はたいした収益が出ないため、重要視されていなかったこともあり、脚本・監督料が安いに越したことはないと考え、ルーカスの提案内容のまま契約しました。

膨大な利益がルーカスにもたらされた

 一方、ルーカスは、長期の視点で「スター・ウォーズ」を捉えていました。映画だけではなく世界観が大切。なによりもキャラクターの粗製濫造を許したくなかったのです。脚本・監督料を下げてでも世界観を守りたかった

 また、キャラクターをしっかりつくることで、映画以外でもニーズが生まれることを信じていたのです。「スター・ウォーズ」を映画の完成でゴールとせずに長期的な視野で捉えていたというわけです。

 蓋を開けると映画は空前の大ヒット。さらに、関連商品も大ヒット。収益源の視点をずらして、直接の監督料より、間接的にキャラクターを売ったことで、膨大な利益がルーカスにもたらされました

 ルーカスがここまで周到に動いた理由は、なにかと横やりが入る“ハリウッドルール”(慣習)から一定の距離を置きたい、ルーカス自身の映画理念を実現するために自分の映画製作会社を設立したいという思いがあったからでした。

 その思いは、ルーカス・フィルムの設立と広大なスカイウォーカーランチという映画スタジオという形で結実します。「スター・ウォーズ」の成功によりフォックスとしても利益を得ましたし、世界中に熱狂的なスター・ウォーズファンを生み出しましたから、ルーカスの誘いを断ったユナイテッドとユニバーサルを除いては、大成功といえるでしょう

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