UberEatsと闘う「出前館」が重視する“配達の質”「毎朝、朝礼してます」
ゴーストレストラン開業も支援
フードデリバリーの盛り上がりに合わせ、出前館は飲食ビジネスの支援のため、クラウドキッチン併設型デリバリー拠点(インキュベーションキッチン®)をオープンし、新規開業の後押しを行っている。
「クラウドキッチンは飲食店を始めるにあたっての設備投資が不要で、初期費用を抑えることができる。さらに配達リソースはあるので、調理スタッフ以外の人件費や教育費もかからない。また、人通りのいい立地にこだわる必要もない。低リスク&低コストで開業できる分、今後このような形態の飲食店が増えてくると考えています。
出前館には20年間培ってきた「どこのエリアではどんなジャンルが売れているか」「どのジャンルのフードがないから狙い目」といったデータがある。
「入居する飲食事業者に提案することができるのが強みですね」と、清村氏は語る。
デリバリーから「ライフインフラ」へ
売上を安定させるには美味しい料理を作り、継続した注文を取り続けなければならない。クラウドキッチン型の飲食店を運営するために大事なことは何なのか。
「イートインであれば、必ずしも味だけでなく接客や空間で評価される場合もあります。でもデリバリーは味が全て。2万5000人アンケートからも『できたてのまま届く』ことが重要だと考えるお客様が多いことがわかりました。やはり届く時間を考慮したデリバリー特有の品質の保ち方や美味しさの追求だと思います」
最後に清村氏は「出前館が“ライフインフラ”となるように目指していきたい」とし、次のように今後の抱負を語った。
「単なるフードデリバリーサービスではなく『シェアリングデリバリー®』や『インキュベーションキッチン®』といった事業を通し、地域の活性化ができるよう尽力したいと考えています。今後もデリバリー拠点数を増やすのはもちろん、クラウドキッチン併設型のデリバリー拠点も地方展開していく予定で、デリバリーをする飲食店をさらに増やし、デリバリーをもっと日常にしていきたい」